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三千院ナギの成長に寄与した3人のキャラクタ

久しぶりに考察でも。
先日よなかのとりのカラスさんとハヤテの139話について話していて、結構いい話ができたのでまとめてみるの巻。題して、「ナギの成長に寄与した3人」。
138話*1で、ナギは自らバイトをすると言いだし、139話*2ではごく普通の接客を見せました。それは、初期のナギを考えればあり得ないと読者に思わせるようなこと。「掃除はちらかる」「猫は洗濯機で洗え」などの名言*3を持つナギが喫茶店ウエイトレス、しかもごく普通にあっさりとこなすというのは、ナギの身体的なのはともかく精神的な成長なくしてはなかったのだと思います。作中ではまだ約4ヶ月しかたっていないのに、ある種「ここまで」的な成長を遂げたように思えるのは、現実時間で2年半たっていることもさることながら、作中で新たに*4ナギに関わった人物がナギに良い影響を与えているのではないでしょうか。そして、3人のキャラクタを挙げることができました。

綾崎ハヤテ

まずは主人公。ナギに決定的な誤解をさせてフラグを立て、そのフラグをキープ。「呼べば助けに来てくれる」、ナギに絶対的な安心感を与え、123話*5で、母の墓前でハヤテを紹介するまでに至りました。そのモノローグはとても印象的。
「好きな人」ができることによって成長するというのは、少年少女問わずマンガでもドラマでもよく描かれるものです。それに完全に乗っかって、ハヤテが全然嫉妬してくれないとか、ハヤテが子ども扱いするとか、そういう悩みはあるにせよ、ナギの成長に寄与しているのは間違いないでしょう。

桂ヒナギク

ハヤテのごとく!」の物語が始まる前からナギと接点があるヒナギクですが、あの負けず嫌いなナギがヒナギクに対して「あこがれ」を抱き、一度は剣道部に入部しています。すでに剣道部には行かなくなったものの、やはりある程度のあこがれをヒナギクに対して抱いている様子は随所に見られます。
文武両道の完璧超人たるヒナギクに「あこがれる」ことで、ナギが得たものはいろいろあるのではないかと。

西沢歩

通称「オーラ対決」*6でお互いにライバル認定し、カラオケ対決を経ていつの間にか三千院家に出入りすることができるようになった西沢さん。西沢さんがナギの成長に深く関与したというのがカラスさんと僕の共通見解でした。すなわち、

  • 出会った時から恋のライバル*7
  • ライバル認定したので最初から反発心全開*8
  • 下田に向かう途中で西沢さんがナギを助けたことによって、お友達フラグ成立*9

恋のライバル。しかも相手は潮見高校という、ハヤテが三千院家に来る前に通っていた高校のクラスメート。その上相手は前からハヤテのことが好き。ナギにとってはある種予想外の恋のライバルです。そんな相手と、カラオケ対決やら何やらで交流を深め、下田に行く時に拾われ自転車で2人乗りをし、命を狙われ助けられ。かばって。かばわれて。そして友達フラグを立てた。
西沢さんは下田編で精神的に一回り大きくなりました*10。一方のナギは、そんな西沢さんに接することで徐々に成長していったのではないかと考えます。

ナギはどう変わってきているのか?

序盤のナギはただのわがままお嬢さま*11です。そして、13歳の年相応の少女にすぎません。しかし、当の本人は「自分は精神的には大人」だと思っていて、周りがそう扱わないことに不満を持っているような印象を受けます。
それがここまで述べてきたような登場人物との交流によって、「自分は大人」という認識を崩してはいないけれども、それでも周りとの溝を埋め徐々に「大人」への道を歩み出した。それがちょうどこのアルバイトにつながっていったのではないでしょうか?

マリアさんの役割

結局ナギの成長は、ナギの少ない友達である咲夜や伊澄との交流だけでなく、学校で出会った「あこがれの同性」、「好きな人」、そして「恋のライバル」によってなされ始めました。いろいろな世界に人と交流することが、ナギを成長させるきっかけ。そしてそれは、何もナギに限ったことではなく、みんなそうなのです。
マリアさんは、ナギの将来を心配しています。そんな描写は随所にあります。そしてそんなマリアさんの役割は、マリアさん自身が言っているように「応援すること」なのです。まさに母親です。

終わりに

これを書きながら思っていたこと。

  • あれ?マリアさんにも同年代の友達とか好きな人とか必要だよね。
  • っていうか、マリアさん恋愛しないとナギに追い抜かれるんじゃね?
  • 見守るのも大事だけど、自分のことも少し省みたほうがいいんじゃね?
  • マリアさんはじゅうななさいだけど年上に見られるキャラで、ナギにとってはまるで母親のような存在だけど、ひょっとしたらナギよりも経験値が低かったりするのかもね。
  • マリアさんが「成長」するときは、マリアさんがようやくメインヒロインになっていた時かな?

*1:「Keep On Dreaming」

*2:「練馬と杉並の喫茶店とファミレスはまんが家と編集とアニメーターだらけ」

*3:68話(7巻5話5話「それはカードで買えない価値がある。プライスレス」

*4:ここ最近という意味ではなく、これまでナギと関わってこなかったキャラクタという意味。

*5:12巻5話「いつか…信じて」

*6:43話(5巻2話)「竜虎の拳の声優をしていた事を僕は忘れない」

*7:43話

*8:59話(6巻7話)「ドキッ☆ 憧れの人は私の執事!?という少女まんがの新連載1回目」

*9:第115話(11巻8話「RUN TOGETHER」

*10:116話(11巻9話)「夢の中より夢のよう」、120話(12巻2話)「”湯あたりたまご肌”と呼ばれたモモイがよ〜」及び小説版。小説を正史扱いするのはとてもいやですが、西沢さんが成長したというのをわかりやすく表現しているのはやっぱり小説だなあと思います。120話でヒナギクに対して姉ちっくに振る舞えるのも成長をふまえてのことかなと思いますし。

*11:天才で超大金持ちですが。