明日はきっと。

本やマンガのレビューなど。

2011年の読んでよかった本のまとめ

いろいろあった(大震災に子どもの誕生になどなど)2011年もまもなく終わりですね。今年はろくに更新しなかったわけですが、来年も時々は更新しようと思っているので、その気持ちをこめて今年読んだ本でよかった本をまとめておこうと思います。

米澤穂信氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「遠回りする雛」角川文庫

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

クドリャフカの順番 (角川文庫)

クドリャフカの順番 (角川文庫)

遠まわりする雛 (角川文庫)

遠まわりする雛 (角川文庫)

今さらかよ…と思う方もいらっしゃると思いますが、今年読んだ本の中ではこれは外せないところ。
米澤穂信先生のデビュー作から始まる「古典部」シリーズは、ミステリの入りとしても、青春ものとしても、非常に良質な作品です。
デビュー作の「氷菓」は、身近な学校を舞台にしたものが複数、そしてそれを踏み台にして最後に当初から提示された謎を解くもの、2作目の「愚者のエンドロール」は文化祭の準備の中で出てきた謎を追うもの、そして3作目「クドリャフカの順番」は、文化祭そのものが舞台のもの、4作目「遠回りする雛」は主人公たち4人の1年間と人間関係の変遷を追うもの。
それぞれにテーマがあって、そこに魅力的な謎が配置され…そんな展開が待っています。

個人的には2作目でちょっとパワーダウンしたように感じましたが、それを「クドリャフカの順番」がすべてひっくり返していきました。
来年京都アニメーションが「氷菓」をアニメ化するとのことですので、そちらも期待です。

北山猛邦「踊るジョーカー」創元推理文庫

北山猛邦先生は第24回メフィスト賞を受賞*1してデビューされたミステリ作家です。いわゆる新本格の系譜を継ぐ作風なのだそうですが、あたしはこれまで知らずにいました。
で、今年文庫となったこの「踊るジョーカー」が、岩手県内の某書店で非常にプッシュされていたので手に取ったのですが、名探偵音野順とその助手で友人の推理小説家・白瀬白夜が出会った事件―新本格っぽくない本格ミステリ―が5編収録され、楽しく読める作品でした。
名探偵は自信がなく気弱で引きこもりがち、それを白瀬が自宅に探偵事務所を作ってまで引っ張り回す、そして最後に名探偵がきちんと解決する―――そんな物語です。

佐島勤魔法科高校の劣等生電撃文庫

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)

これこそ今さらな感もありますが、いやでもおもしろかったし!
なんというか、うん、これぞ「ライトノベル」って今思っています。電撃文庫が出たての頃の、自分が中学校くらいだった頃だったらもっと単純にハマってたに違いないと思います。
キャラクターの魅力とそれを支える世界観がマッチした良作です。

まとめ

今年は以上3作品でした。いやまだいろいろ読んでるんですけど、今年の一押しはこの辺だったかなあって思って。はい。
来年は今年よりは更新できるようにしたいなと思ってますので、どうぞよろしくお願いします。

それではよいお年を。

*1:ちなみにその前の23回の受賞者は西尾維新先生