「ペアリング」というカタチ
気づいたら『トニカクカワイイ』の単行本1巻が出ていました(挨拶)
- 作者: 畑健二郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/05/18
- メディア: Kindle版
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さて、今週のサンデーに掲載されたトニカクカワイイ18話について、昨日あたしはこんなtweetをしました。
ようやく今週の「トニカクカワイイ」を読んで、婚約指輪を渡した時のことは覚えてるけどどうやって指輪のサイズ調べたのかとか、いくらだったのかとかそういうことかま思い出せなくてなんか微妙な気持ち。8年ほど前とはいえ。なんか。
— 井上きよ(実在?) (@kiyolive) June 14, 2018
言葉が微妙に足りませんが、つまるところ、今回の18話を読んだあとで自分が嫁に渡した婚約指輪と結婚指輪のことを考えたのです。そして、「嫁に伏せて婚約指輪を準備したこと、渡したときのことは覚えてるけど、どうやって指輪の代金払ったんだっけか…あとサイズぴったりだけどどうやってばれないように聞いたんだっけ…?」と思い、しばらく考えたけど思い出せなかった*1、という主旨のtweetでした。
そんな体験談をふまえたよもやま話的感想ですが、久しぶりの更新ということでお付き合いいただけたら幸いです。(前置き長い)
”カタチにこだわる”ということ
『トニカクカワイイ』は夫婦コメディということで、まあナサの行きつけの銭湯の姉妹とか司の関係者とか出てきてはいますが、基本的にナサと司がいちゃラブするのが本作の基本です。
きっかけはともかく、また、受理されたかはともかく外形的には結婚した2人、そしてお互い想い合っているということがこれまで描かれてきています。気持ちがある程度見えてくると、「実のところそれを証するものがないよね」ということが浮上してきて、それがここ何話かの根底にあるように思っていました。ナサがアルバイト中は司は1人になっちゃって寂しい、というエピソードも、結局「証」というところに行き着くので。
そんなわけで、今週の『トニカクカワイイ』はそれをすべて回収する話であります。お話は司がナサに現実(最高級とそれ以外の違い)を見せつけるという方向で展開し、ダイヤモンドという宝石の高さを見せつけてより有意義なお金の使い方を説こうとする司にナサが伝える言葉が甘いシーンにつながりました。
「離れていても…永遠の愛を誓った指輪があれば…相手を近くに感じられるかなって…離れていても…寂しくなくなるかなって…
このナサの一連の言葉は、個人的には「すごいわかるよ!」という気持ちと「いやいやそんなことではないよ」という背反するような感情になりました。とはいえ、やはり一面では真だよなと思うのです。指輪なのか値段なのかはさておき、そこに気持ちをこめたカタチのあるものが存在することで、相手のことを思うきっかけであったり、相手が自分の側にいてくれるような気持ちであったり、相手が自分のところに帰ってくれるような気持ちになれたりするという要素は否定できません。「カタチにこだわるかどうか」というのは、夫婦それぞれの考え方によると思いますが、何らかのカタチがあることは長い結婚生活において大事な要素なのでは…と感じています。ラスト2ページの司の言葉が過去形であることが感想サイトで憶測を呼んでいますが(こことかこことか)、指輪というカタチを得たということで感傷的になり、過去形になってもおかしくないかなと思わないでもないのです。ラスト1ページは確かに示唆的ですが。しかし、自分自身が結婚指輪を見ると嫁のことを思い出すので、そういう意味では別に今の気持ちの独白だと思ってもいいようには感じています。確かにアヤシイですが。
まとめ
思い出はカタチにするとよりよい。
蛇足
「トニカクカワイイ」、夫婦コメディならもうちょっと砂糖投入しても損はないと思う。夫婦だもの、甘いんだよ…
— 井上きよ(実在?) (@kiyolive) 2018年6月14日
というtweetをしましたが、うん。やぱり夫婦コメディだしもうちょっと糖分多めでも罰は当たらないと思います。新婚だもの。甘くいこうぜ!
*1:嫁もあやふやな記憶だったけど、なんとなく二人で摺り合わせたらだいたいわかりました。