明日はきっと。

本やマンガのレビューなど。

IN★POCKET10月号で、小畑健先生榎木津礼二郎を描く。

みなさんは「IN★POCKET」という情報誌をご存じでしょうか?
毎月15日の講談社文庫の発売日にあわせて、講談社文庫を中心に文庫の情報を伝える200円の小雑誌です。意外にいい企画が組まれているので、文庫好きや好きな小説家がいる方は時々チェックするとニヤリとできる雑誌です。
さて。その10月号なんですが、今日久しぶりに本屋に行ったら売っていたので立ち読みしようと思って手に取ったんですよ。

IN☆POCKET 07ー10

IN☆POCKET 07ー10

表紙画像ないのでキャプを貼りますが

小畑健 京極夏彦を語る

ということで、思わず買ってしまった次第です。簡単にレビュー。

中には小畑版榎木津礼二郎

榎木津礼二郎についてここで語るのは控えますが*1、要するに探偵といいつつ探偵からはかけ離れた人です。イケメンなんですけどね。
前置きはここまでにして、小畑先生の描いた榎木津礼二郎はこうでしたー!



やっぱり小畑先生の画力ってすげえ…。榎木津って破天荒なキャラなのですが、表情からそんな感じが出ていて榎木津っぽいよ!

肝心のインタビューでは、小畑先生が京極堂シリーズについて熱く語っていました。

―――読まれていかがでしたか?
小畑 感動しました。感動というか、僕がずーっともやもやしていた総てを京極堂が解いてくれたんです!
―――と、申しますと?
小畑 決め台詞の「この世には不思議なことなど何もないのだよ」という一言に集約されますが、そのものずばりです。小さいころからオカルト的なものに惹かれていて、いい年になるまでわりとそういうものが好きだったんですが、それらに関する謎をすっかり解いてもらったという感じでした。
―――謎を解かれてがっかりした…ということではなく?
小畑 はい、むしろ感銘を受けました。(中略)小さなトラウマ(?)のようなものが払拭されたようでした。それまで自分の中に「よくわからないもの=怖い」といういう思いがあったのが、実はこの世にはよくわからないものなんて何もないんだ、と、まるで親に諭された子どものように納得できて、それがとても大きかったですね。

なんだか自分と似たようなことを思ってるー!!ということで、すごくうれしくなりました。京極堂シリーズの主人公・中禅寺秋彦の決め台詞といえば「この世には不思議なことなど何もないのだよ」なのですが、この言葉、そして文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)(AA)冒頭の関口との問答に衝撃を受けた人って自分だけじゃなくて、マンガ家にもいるんだというのがきっとうれしさの元にあるのでしょう。

ということで、IN★POCKET10月号は京極夏彦先生好きか小畑健先生好きなら買いです。

*1:とりあえず10月に発売された「百器徒然袋−風」の感想へのリンクを貼っておきます。