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ハヤテのごとく!第181話:「別れ」へのカウントダウン

いよいよ過去編も佳境に入ってきたような気がする、そんな今週のハヤテのごとく!「第181話『THE END OF THE WORLD 4 世界に届く声で』」の感想のお時間です。前回、アーたんから執事のお仕事として掃除を教わり、誉められて照れて別の部屋の掃除に行く!と行動した先で見つけた謎の箱、というか棺。驚くハヤテの背後に立つアーたんらしき影!!という前回からの続きです。

「開けてみるかな?」

早速箱を開けてみようとするハヤテ。


――――なんという死亡フラグ…。


というのはさておき、冒頭の柱にもありましたが、この頃のハヤテはまだ危機を敏感に察知して触れてもいい物、悪い物の区別がつかなかったようです。案の定、後ろに立っていたアーたんによって阻止されました。とても怖い顔で。





やはりこの箱はこの「王族の庭城」において相当重要な意味を持っているようです。それが何かはわかりませんが、アーたんの態度を鑑みるに、アーたんより前の住人かあるいはアーたんの家族かそれに類するものの死体…とかなのかもしれませんね。あとは、開けた者を呪う箱とか。

何はともあれ、この秘密が開陳されるときがハヤテとアーたんの関係が壊れるときなのかもしれない、とちょっと思いました。

「王族の庭城」への違和感の表明

アーたんは言います。

ここは「王族の庭城」。滅びる事のない花が咲き、消える事がない炎が灯る場所。

そしてハヤテは思います。

この城のロウソクはいつ誰がつけたのかもわからないのに…ずっと変わらず炎がゆらめき続けていた。


これは―――七不思議の一つですね!!



ΩΩΩ<(ry




さて、この「王族の庭城」が出てきた179話で何人かのブロガーさんが指摘していた事柄として、城の中の大時計と城の外の時計が示す時間が違っている、ということがありました。そして今回、ハヤテが「針の進み方が全然遅い」ということに気づくことで、その疑問が読者に明確に示されることになりました。それに対してアーたんは

心配しなくても……それで合っているのよ
(太字は原作内では傍点)

と言い、さらに言葉を継ぎます。






この、針の進みの遅い時計だけが正確。とても意味深です。ちょっと考えるだけで、「この城の中では時の流れが遅い」ということに突き当たります。とすると、以前からこの城で生活しているアーたんは、ハヤテより年上の可能性も出てくるのです。本当に、この城はハヤテの言うように、「人の立ち入ってはいけない場所」というのがしっくりくると思えます。

外のあらゆるものを見ることができる鏡

箱から意識をそらすためにアーたんがハヤテを連れてきたのは、「外のあらゆるものを映すことができる鏡」の前でした。その名を「天球の鏡」。早速映像を映し出そうとするアーたんでしたが、欠点を言い始めます。それは、自分の知っている人の周囲しか映せないこと。1日にほんの少ししか使えないこと。そして、声を伝えてはくれないこと。
おそらくかなり長期間一人で暮らしてきたということが伺えるアーたんですが、いくら大人っぽいと言ってもやはり幼児。きっとこの鏡で寂しさを紛らわせてきたのでしょう。しかし、声がないことで余計に寂しさを募らせてきた。そして、それがより自分の名前を呼んでくれる人は誰もいないということをアーたんに突きつけてきて、それがさらなる孤独をアーたんに与えてきたであろうことは想像に難くありません。そのつらさ、そして寂しさが





このコマに凝縮されているのではないかという気がします。そしてそれを救うハヤテの「アーたん」連呼。このとき、アーたんは一人でないことを強く感じて、それがアーたんの新たな支えとなっていったのではないかと思いました。

鏡に映ったのはロリマリア。

で、鏡に映されたのは意外にもマリアさんでした。一瞬ネタかサービスかと思ってしまいましたが、先にあったアーたんの

これで映せるのは自分の知っている人のその周囲だけ

という言葉によって、この映し出されたマリアさんは重要な伏線となりました。
まず考えられるのは

2つ。前者であれば、今後アーたんが登場した時、マリアさんの存在が大きくなってくるように思います。また、後者であれば、ハヤテや愛歌さんの持つ通称「飛行石」が、この「王族の庭城」となんらかの関係がある可能性を孕んでくるものだと考えます。
あたしはおそらく後者、アーたんと三千院帝が知り合いだと思うわけですが、その根拠は、「自分の知っている人のその周囲」という言葉にあります。アーたんの知っている人がこのとき見ていたのが、マリアさんだったから、マリアさんが鏡に映った、つまり、アーたんとマリアさんは直接の知り合いではないと思うのです。それに、帝が、ひいては三千院家がこの「王族の庭城」と関わりがあると考えれば、大きな伏線の一つである「飛行石」のルーツがわかりやすくなる、というのも大きな要因です。
あたしはそう思いますが、みなさんはいかがですか?

幼児なのに本当に恋人同士のようなやりとり

マリアさんを「あんな可愛い子初めて見たよー」と言いやがった天然ジゴロ候補生。すでにハヤテラブなアーたんは当然怒り、ハヤテの前から逃げるのでした。
そんなアーたんを追いかけたハヤテ。「なに怒ってるの?」と鈍感っぷり丸出しのセリフをアーたんに向けて放ち、怒ってる怒ってないの押し問答を繰り広げるのでした。



――――なんだこのバカップルは。



で、先に泣き出すハヤテ。男の子が泣くんじゃありません!しかし、ハヤテがここで言う「だって僕…すぐ人に嫌われちゃうから…」というのがかなりひっかかります。嫌われる理由はおそらくハヤテ本人にはほとんどなく、親に起因するものである確率が非常に高いと思うのですが、それを親に結びつける発言をしないところがハヤテのいい子なところですね。

そして、ハヤテの告白。ここでハヤテが言った好きが果たしてどこまで「異性に向けた」好きであるのかが微妙だと最初は思ったのですが、しかしここで漢字で「好き」と表現されたことで意味合いが違ってきました。これまで、多くの場面で「好き」は「スキ」と書かれてきました。特にヒナギクの発言で。一方で西沢さんがハヤテに告白したときは「好き」でした。西沢さんもヒナギクもしっかり恋愛感情として認識しているのに。なぜヒナギクは「スキ」で西沢さんが「好き」なのか。そして今回のハヤテはなぜ「好き」なのか。単純にどちらかの方がちゃんと恋愛感情…みたいなわけではないと思うのですが、ここで「好き」という言葉が使われた理由がかなり気になりました。いずれこの様子だと、ちゃんと恋しているのだろうなあと思いました。

そして、見覚えのある光景へ。

アーたんの名前をさんざん叫ばされたハヤテ。その後。






ハヤテとアーたんは、「ずっと一緒にいる」約束をしました。
見覚えのある光景と見覚えのある言葉。そう、177話*1のラストで、ナギがハヤテに向けて放った言葉と同一の言葉です。違うのは、ハヤテがそれに対して迷わず約束をするのか、間が空くのか。ただそれだけの違いです。しかしその違いがなんだか怖い。

これまでこの過去編で語られてきた物語は、ハヤテとアーたんの出会いと、関係が構築される物語でした。そして今回、ハヤテとアーたんの関係は過去編以前で語られたものと同じステージに立ちました。これが意味するもの、それは今回の最後のコマを見るまでもない。

ハヤテとアーたんの別れが近づいた最初の1歩――――。

ところで、今週の絶望先生の最後の柱がすごく気になるんですが。

今週の絶望先生のテーマは「ひとくくり」でした。今週もサンデー編集部VS雷句先生ネタがしっかり羅列入りしていましたが、それよりも気になるのは最後のページの柱です。

またお母さんに怒られそうだけど、再来週、重大発表アリ!

というこの意味深な言葉がとっっっっっても気になります。もしかして―――3期フラグ、立ったんですか、久米田先生?
来週は休載とのことなので、再来週が待ち遠しいですね!

*1:「それは、光で時を切り取る機械」