明日はきっと。

本やマンガのレビューなど。

感想を書くことに流儀なんてない

「書きづらい」なんて書かないで。 - Cahier d’Haru

先週のid:raindroptracesさんのこのエントリ。書いていることはもっともだと思いますし、気をつけていきたい部分ではあります。ただ、何か違和感。


そもそも感想って何なのでしょうか。


読書感想文?いえいえ、それとは違います。限りなく近いとも言えますし、言葉通りに考えれば読書感想文でしょうけれども。

思うのです。webで書かれた感想って、友人と繰り広げる「今週のハヤテどうだった?」「あー、うん。おもしろかった」の発展型じゃないのだろうかと。
友人との”閉じた”関係の中でかわされるおもしろい/つまらいのやりとりに、もっと言葉を費やして少しパブリックな場に出てきたもの、それがwebにある感想なのではないか。あたしはそう思ってきました。
もちろん誰の目に触れるかわからないwebですから、思ったことをそのまますべて書いたりしたら大変なことになったりもします。でも、だからといって人の目を気にしすぎたら意味がない行為でもあります。

webで感想が読めるすばらしさというのは、どこの誰が書いたのかはわからないけれど、そこには感想があって、その中では自分と近い考えや似たよな感覚を持って読んだ人もいれば全く反対のことを考えてる人もいるし、あるいは自分が想像もできなかった着眼点でもって感想を書いている人がいるというのが体感できて、かつそれを自分にフィードバックしやすいところにあると思います。ざっと感想を読むだけで、いくつもの感想に翻弄されながら自分の感想や考えと向き合うことができる。いろんな人、いろんな考え方があって、自分の立ち位置を認識しやすい。様々な”よさ”が、そこにはあります。

さて、「感想が書きにくい」ということなのですが、それは言い換えると「とらえどころがない」ということなのかなと思います。読み終わっていざ感想を書こうと思った時に、どこについて感想を書けばいいのかまったくわからない、とらえどころのない―――それが、感想の書きにくさなのではないかと思います。そして感想が書きにくい=つまらないとは限らない*1。むしろおもしろい場合も多い。
つまり、感想が書きにくいというのは、「どう言っていいかわからないけどとりあえずおもしろい」とか、「なんとなくおもしろい」といった、漠然として何を書いていいか分からないんだけどおもしろい回に対して、感想ブログ的に負けを宣言する言葉なのではないのでしょうか?

一読者として感想を書くという行為を日常的にしてきた人間が、「感想…書きにくいな。(でもおもしろいな)」と思ったことを素直に表明したらいけないのでしょうか。逆にそれを表明することは、(その回に対しての)敗北宣言で、ネガティブな表現なのに実は賞賛しているということにつながったりするのではないのでしょうか。


―――などと思ったりしましたが、「書きにくい」という言葉はネガティブに捉えられるものですし、できるだけ使わないにこしたことはない表現です。むしろ、そういう状況にめげす、いかにしてそういう言葉を「使わずに」感想を書くのか、というテーマでもって臨むのが、よりよい感想を産み出すのかな、とも思います。

なんかオチがつかないですが、このあたりで。久しぶりに長文書いた…。
っつーか、タイトルと内容の乖離が甚だしいなあ。釣られた人すいませんw

感想を書くスタイルは人それぞれだと思いますが - Mesanの誤爆日記
感想を書きにくい。ということ。 - タカヒナの日常境界線
「感想」というのは本来極めて私的なものである - tanabeebanatの日記

*1:感想書きにくいうえにつまらないと思ったのはやっぱりタマの回こと136話。評判の悪い執事とらのあな編も、感想書いていたら書きにくかったのかなあと思ったりします。