明日はきっと。

本やマンガのレビューなど。

2010年読んでよかった本まとめ

マジメに更新することも必要ですよね(挨拶)
きよです。

もうすぐ2010年も終わりますし、今年いろいろ読んだ中でよかった本、オススメしたい本を紹介してみたいなと思います。
なお、近年あたしは文庫ばっかりなので、文庫化されてから読んでいるものが多いことをご了承くださいませ。また、最近長文を書いていないので実は文章がつながってないとかはご愛敬でお願いします(←図々しいお願い)。すいません。余裕があればちゃんと長文書きたいなとは思っているんですよ?

辻村深月「名前探しの放課後」講談社文庫

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

丁寧な人物描写とオチの返しが綺麗な辻村深月先生の最新文庫。デビュー作の「冷たい校舎の時は止まる」と似た雰囲気(中で扱われている現象は「超常的な」現象である、高校生たちが主人公であるところ、など)ですが、丁寧に描写を積み重ねて違うところに着地したのはさすがだと思います。分量が結構多め(辻村作品は基本的に量が多い)でちょっと苦手意識を持つ人はいると思いますが、その分量をさして感じることなく読めると思います。
辻村作品は今のところ、「ぼくのメジャースプーン」が一番にオススメしたいところですし、リンクもあるので本作を読まれる前に「メジャースプーン」を読まれるのがいいかな。

伊坂幸太郎「砂漠」新潮文庫

砂漠 (新潮文庫)

砂漠 (新潮文庫)

一昨年の本屋大賞を取った「ゴールデンスランバー」が年末に意外な早さで文庫化されてて、やっぱりおもしろかったのですが、今年文庫になった伊坂作品ならあたしは「砂漠」を押したい。
というのも。大学生が主人公である本作ですが、本作では事件もぽつぽつ起きる中で中心に置かれているのはあくまでも主人公たちがつるんで「何かをする」*1ことにあるのです。そして、読み終わる時、1冊の本の中で主人公たちが過ごしてきた時間の経過に驚きと親しみを感じるんじゃないかな、と思います。主人公が大学生だからこそ描ける世界がそこにはある。

なんてことは、まるでない。

あ、あと鳩麦さんラブです(←

小野不由美ゴーストハント(1) 旧校舎怪談」幽BOOKS

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (幽BOOKS)

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (幽BOOKS)

悪霊シリーズが全面リライトされて2ヶ月に1回刊行される、という話を聞いたときには驚きのあまり箸を落としてしまうかと思いました。
小野不由美先生が1989年から足かけ5年にわたって書いていた「悪霊シリーズ」はすでに絶版になっていて読みたくても読めなかったのですが、それが読めるとなればちょっとお値段があっても買ってしまうのが人情というものです。
少女小説特有の「普通の少女」の一人称でありながらしっかりとホラーテイストミステリー、というこの作品の骨格がおよそ30年前に書かれていたというのはやはりすごい話です。そして、その骨格を残しながら「今の」小野不由美という作家が送り出してきた「新しい」悪霊シリーズ。続刊に目が離せません。

※2巻「ゴーストハント(2) 人形の檻」は1月14日発売とのこと。

庵田定夏ココロコネクト ヒトランダム」ファミ通文庫

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

ラノベをあまり読まなかった今年のあたしですが、カームくんが絶賛してたので買って読んでみたら確かにおもしろかったな、という作品でした。
「青春群像劇」以外の言葉が見つからない感のある作品ですし、設定も単発向けなように思えるので、3巻まで出てる現状でこういうのも何ですがあまり長くは続けられないんじゃないかな、とは思います。そうはいっても、ここまで明快でしっかりしたジュブナイルを読ませてくれるというのはなかなかないんじゃないかと。
主人公たちの関係性、会話、そういったものがまぶしい、そんな1冊。

野村美月“文学少女”見習いの、卒業。」ファミ通文庫

“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)

“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)

ラノベからもう1冊。「“文学少女”」の正編が完結してから始まったこの「見習い」3部作は、正直蛇足なように思えてならなかったのですが、傷心、そして卒業と3冊の中でしっかり心葉が、そして菜乃の成長がしっかりと描かれたことで、正伝のラストの像がより鮮明になったような気がします。
今月発売された「挿話集4」、そして春発売の外伝「半熟作家と“文学少女”な編集者」でシリーズ完結とのことで、楽しみにしています。

おしまいに

以上5冊でした。
浅田次郎先生の「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」「中原の虹」、上橋菜穂子先生の「精霊の守り人」シリーズや、アリアンロッド・サガのリプレイ全般なんかも楽しく読んでいたのですが、紹介しやすかったあたりをラインナップしてみた次第です。

今年は結婚後のバタバタもあってめっきり更新もできませんでしたが、来年はもっとできないかも…?いやひょっとしたら…?とか思ったりしています。
定期的に見に来てくださる方に申し訳ないなあと思いつつ、やれる範囲で引き続きやっていきたいと思いますので気長にお待ちください。

2010年もお世話になりました。2011年もどうぞよろしくお願いいたします。

*1:そのほとんどが麻雀であるわけですが。