明日はきっと。

本やマンガのレビューなど。

春の陽気が待ち遠しい今日この頃、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
感染症の流行や花粉症の始まりなど、何かと苦しい季節ではございますが、くれぐれもご自愛ください。

(意訳:2月に入ってようやく2017年の初更新です。遅くなりましたが本年もよろしくお願いします。)

2016年に読んだ本のおすすめ

まさか6月に更新して以来一度も更新することなく年末を迎えるとは…(挨拶)
今年は少しは更新頻度が上げられるかも、とぽつぽつネタは準備していたものの、気温やら体調やらで結果このようなことになってしまったのでした。今月は子どもの入院や胃腸炎などでさらにてんやわんやです。皆様もお気を付けください。
さて、昨年はできませんでしたが、恒例の「2016年に読んでおもしろかった・おすすめしたい」本をご紹介したいと思います。
もし興味のあるものがありましたら、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。

「いまさら翼といわれても」米澤穂信 角川書店

いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても

累計205万部突破の〈古典部〉シリーズ最新作!
誰もが「大人」になるため、挑まなければいけない謎がある――『満願』『王とサーカス』の著者による、不動のベスト青春ミステリ!

神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。
夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘――折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作)

時間は進む、わかっているはずなのに。
奉太郎、える、里志、摩耶花――〈古典部〉4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇。

11月末に出たばかりの<古典部>シリーズの新刊です。6年ぶり。<古典部>シリーズは文庫で購入しているあたしですが、今回は待ちきれませんでした。古典部>シリーズを読んでいる方は、文庫を待たずに早く読んだ方がいいと思います。
今作は「遠回りする雛」に続く短編集ということになりますが、どれも<古典部>シリーズらしいみずみずしさとほろ苦さがあり、珠玉の短編集と言っても過言ではないでしょう。
さて、今作に収録された作品は、現在を追うものと過去の出来事を追うものとに二分されるのではないかと思います。その中でも、摩耶花が語り部になる2作、摩耶花がこれまで奉太郎と一線を引いていた理由が明らかになる「鏡には映らない」と、摩耶花が漫研をやめた経緯が明らかになる「わたしたちの伝説の一冊」の2作品は、これまでの<古典部>シリーズの欠落を埋め、これからの<古典部>シリーズをまわす大事な物語だろうと思いました。この2作だけでも必読だと思います。
しかし、この2作や先にアニメになった「連峰は晴れているか」といった作品は、あたしの中では前座にすぎません。いままでの<古典部>シリーズの前提が、表題作「いまさら翼といわれても」によってくつがえるからです。
「いまさら翼といわれても」の最後、奉太郎がえるに語りかけたことと、明示されない結末。そして、本作のタイトル。すべてが古典部のこれからを形作る重要なかけらとなっていくに違いありません。
高校生という有限の時間を過ごす奉太郎たちですが、その残り時間もあと1年半と少しです。その中で彼らがどのような成長を遂げ、どのような道を選び取るのか、今後の展開に期待です。

あ、実写映画化?知らない知らない。そんなの知らないよう。あたしは京アニさんによる第2期を待ってます。

終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?枯野瑛 角川スニーカー文庫

ヒトは規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。ヒトに変わって《獣》と戦うのは、死にゆく定めの少女妖精たち。青年教官と少女兵の、儚くも輝ける日々。

読書メーターで一押しになったことから、あたしの行きつけの書店が一時コーナーを作って推していた作品です。ためしに、と第1巻を買ったところ、あたしは翌日には当時の既刊をすべて揃えて、3日ほどで追いつきました。睡眠時間は失いましたが、得たものは多かったです。
本作を読んだ第一印象は、「俺TUEEE系にもパターンが増えてきたなあ」でした。今年はたまたま「空戦魔道士候補生の教官」シリーズも読み始めていたのですが、共通点として

  • 主人公は超強いけど何らかの理由でその真の力がふるえない
  • そのかわりに女の子に知識とスキルを教える
  • でも女の子がピンチになったら真の力を使って助ける

といったところがあるかと思います。俺TUEEEとキャラクターの成長を同時に描くイメージなんでしょうか。非常によくできた類型で、純粋な俺TUEEE系より共感しやすかったり、入っていきやすかったりする面があるのかな?とも思いました。はやっているのでしょうか。
さて、「空戦魔道士候補生の教官」はそのまま王道展開に入りつつありますが、一方のこの「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」は特に2巻以降、すべての巻でラストにどんでん返しが待ち構えているという構成となっております。あたしは翻弄されっぱなしでした。読みながら「マジかよ…!」と声に出してしまったこと、1度では済みません。
読者が主人公と同じように「そこを守りたくなる」。そんな描写の積み重ねがあるからこそ、各巻ラストの衝撃があり、続きが待ちきれない、そのような作品になっています。ぜひ読んでいただいて体感していただきたいところです。
続編の「終末なにしてますか?もう一度だけ会えますか?」もあわせて。
あ、あと2017年4月にアニメ化ということで、こちらも楽しみにしております。

「島はぼくらと」辻村深月 講談社文庫

母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。
美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。
父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。
熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。

島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。
「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、
島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。
故郷を巣立つ前に知った大切なこと――すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。

ちょっと暗めのテイストが多めだった辻村作品ですが、本作は瀬戸内海の島を舞台に、そこで暮らす高校生4人を明るく描いたというところがあって、心地よく読み進めることができました。
明るいとは言ってもそこは辻村先生、地方の島という現実にある問題にも触れつつ、積極的なIターンの受け入れといったポジティブな施策もふまえながら、そこで暮らしていくことの意味を問う良作です。
主人公たちの人間関係とそれをとりまく環境がうまくマッチしていて、おすすめです。

「ここはボツコニアン」宮部みゆき 集英社文庫

"ボツネタ" が集まってできた、できそこないの世界〈ボツコニアン〉。
そこをより良い世界に創り変えるため、「長靴の戦士」として選ばれた少年ピノと少女ピピ。
二人は別々に育てられたが、二人そろうと、強大な力を発揮する双極の双子。
植木鉢の花の姿をした「世界のトリセツ」と共に二人は、前人未踏・驚天動地・抱腹絶倒の冒険の旅に出る! 
そして、さまざまな人やモンスターとの出会いの中で、二人は成長し、武器や魔法を手に入れていく・・・。
宮部みゆきの新境地、RPGファンタジー!!

宮部みゆき先生のファンタジーといえば、「ブレイブ・ストーリー」や「英雄の書」など、厳しい現実に直面した少年・少女が異世界で戦い成長するという、骨太のものが多い印象です。
しかしこの「ここはボツコニアン」、作者の言葉がそのまま地の文にあらわれ、作者と登場人物がそのまま会話することも珍しくない、メタにメタを重ねたギャグファンタジーだったのです…!
なにしろ、舞台となる世界は「現実世界でボツになったネタが集まってできた世界」。最初のダンジョンがとてもクリアできそうにないからボツ、といったレベルの無理ゲー感ただようネタがあれこれ噴出する中で、それでも宮部らしく、ピノとピピの二人が旅立ち、成長する物語が展開されます。特に4巻から5巻にかけて、メタ発言の連続の中で伏線がしっかり回収されていく様は必見です。
ゲームをしたことがあれば必ず思うであろうことがちりばめられた本作、特にRPG好き(または三国無双好きまたはバイオハザード好き)におすすめです。

貴族探偵対女探偵」麻耶雄嵩 集英社文庫

貴族探偵」を名乗る謎の男が活躍する、本格ミステリーシリーズ第2弾! 今回は新米女探偵・高徳愛香が、すべてにおいて型破りな「貴族探偵」と対決! 期待を裏切らない傑作トリックの5編収録。

貴族探偵」は2014年のおすすめ本で紹介しましたが、その続編である本作もすごかった…!
同じく2014年におすすめとして挙げた福家警部補シリーズの文庫最新刊も良かったのですが、あちらが正統派続編だとすれば、こちらは消える魔球です。
貴族探偵の存在を説明すること自体がネタバレなので細かく紹介しづらいのですが、今作ではその貴族探偵に挑む新米探偵・高徳愛香が登場し、彼女が貴族探偵に対して敵愾心を燃やしていく様を愛でるという新しい楽しみ方が準備されています。
最後に収録された「なほあまりある」を読み終わると、愛香の今後がもう気になってしょうがなくなりますが、彼女にはぜひともがんばっていただきたい。

「時限病棟」知念実希人 実業之日本社文庫

目覚めると、彼女は病院のベッドで点滴を受けていた。
なぜこんな場所にいるのか? 監禁された男女5人が、拉致された理由を探る……。
ピエロからのミッション、手術室の男、ふたつの死の謎、事件に迫る刑事。
イムリミットは6時間。謎の死の真相を掴み、廃病院から脱出できるのか!?

大ヒット作『仮面病棟』を凌ぐスリルとサスペンス。
圧倒的なスピード感。衝撃の結末とは――。
医療ミステリーの超傑作、文庫書き下ろし!
累計60万部突破の「病棟シリーズ」最新刊。

昨年書けなかったおすすめ本のトップに、作者・知念実希人先生の「天久鷹央の推理カルテ」シリーズが入る予定でした。天久鷹央シリーズにハマって以来、好きで追っかけている作家さんです。
さて、本作「時限病棟」は、前作「仮面病棟」をふまえた作りになっていますが、どちらから読んでも楽しめます。背景には「仮面病棟」があるので、どちらかといえば前作から読んでいただく方がよいと思いますが。
この「時限病棟」、何がすごいかというと、前作「仮面病棟」のすごさが医療ものならではの現実への切り込み+ミステリ的大どんでん返しにあるならば、こちらは前作にもある医療の現実に脱出ゲーム的スリル感が味付けとして効果的に使われているところにあると思います。
なぜ彼らは監禁され、ピエロに示されたミッションを解いていかなければならないのか―――。それが明らかにされた時、思わずうなってしまうこと間違いなしの傑作です。

ふれるときこえる本名ワコウ 少年サンデーコミックス

今年のマンガでは、この「ふれるときこえる」がイチオシでした。まさか終わってしまうとは…と思う反面、4巻できれいにまとまっているので非常におすすめしやすという面もあり、複雑です。
さておき、本作は主人公・噪が、人に触れると心の声が聞こえる能力を持った少女・さとりに出会い、さとりに好意を持たれた結果、噪自身も人に触ることで心の声が聞こえるようになってしまう―――それを背景に展開されるプチ三角関係ラブコメが見所の作品です。
本名先生がサンデーで以前連載していた前作「ノゾ×キミ」は、桂先生の再臨とも思えるおしりとパンティラインがふんだんに描かれるラブコメでした。しかし、本作「ふれるときこえる」は、その要素は残しつつも控えめに、「心の声が聞こえる」という設定を活かした、キャラクター同士の関係性に重点をおいた良質なラブコメに仕上がっています。
「触れる」ことの喜びが、「聞こえる」ことで怖くなる。その怖さを乗り越えて、噪やさとりがどのような結末をつかみとるのか、ぜひその目で確かめていただけたらと思います。

あまり言いたくはありませんが、「ニセコイ」がああだっただけに、噪という主人公にあたしは救われました。

おわりに

今年は以上、7作品でした。
ふれるときこえる」については、エントリを個別に立てようと思っていたものの、12月に我が家を襲った健康トラブルもあって結局書けなかったというところです。
2016年もたくさんのおもしろい本に出会えて、とても幸せでした。
冒頭にも書きましたが、この年末年始で時間があるよー、という方に参考にしていただけたらとてもうれしいです。

2017年もなかなか更新できないかもしれないですが、機会をみてちらほら更新できたらと思っております。
引き続き「明日はきっと。」をどうぞよろしくお願いいたします。

1〜3位とは結局誰なのか選手権

6月8日発売のサンデーに掲載されたハヤテのごとく!第531話「現実世界ではそうないが、ラブコメ漫画ならありえる」は、2週間の休載+文とシャルナちゃんの屑々しい話を挟んで突如として本筋へ戻されるハヤテにありがちの回でしたね。
話としては、みんなで作戦を練り直すため作業をしていたところ、ようやく泉が行方不明になっていることに気づき、ハヤテが地図を持って助けに向かいました、という内容です。その前後で、女の中に男が一人状態のハヤテに性的な話題が振られたりしただけのことです。

あたしが日曜日にもなって珍しくはてダの更新画面を開いているのは、話的にどうこうあったからではないのです。
オチが問題なのです。

扉の鍵っぽい水晶玉の質問に仕方なく答えるハヤテに突きつけられた最後の質問。
『扉の向こうの子の順位は何番?』→「女の子に順位なんてつけませんよ」からの『だけなら』「4位

瀬川泉*1で、4番目…?

そこで、あたしが読み終わったあとの感想です。



タカヒナくんの感想がこちらですが、該当箇所を抜粋させていただくとこちらです。

泉で四位となると、上位は誰かという話になる。

アテネ
マリアさん
咲夜

あたりでしょうね。
一位はアテネとして、二位と三位が悩ましい。

答えない誠実さもあるけど、答えた方がいいときもある。ハヤテのごとく第531話「現実世界ではそうないが、ラブコメ漫画ならありえる」 - タカヒナの日常境界線

マリアさんという発想はなかった。その発想はなかったんだよ…!

と思いつつ、昔から巡回しているこいんさんのこのような感想を書かれていました。

泉より上の三人は、マリアとアテネと?雪路は……射程外すぎてないか。じゃあ、咲夜だな、間違いなく。
ハムスターは世界観的にはあくまでも普通の乳あつかいのはずだし。

ハヤテのごとく!531話【「女の中に男が一人〜女の中に男が一人〜」といういじめ、いじめられたい」】:360度の方針転換

当ブログがハヤテのごとく!感想まとめサイトとして最も盛んに活動していた2007年〜2008年頃より、マリアさんのおっぱいは可変である主張してきたあたしとしては驚きの2意見。二人とも古参の感想ブロガーです。
※ただし、タカヒナくんからは、あたしへのリプライで「マリアさんは可変だけど、ハヤテ自身が好意による補正かけてる可能性が高いと思った。」と述べていたことを補足します。

ということで、「ハヤテのごとく! 感想 531話」でGoogle先生に問い合わせして出てきたブログの感想を並べて集計してみよう、というのが今回の企画です。懐かしいノリですね。

該当箇所(泉の上には誰がいるのか)に言及された感想

1位はアーたんとして、2〜3位は咲夜とマリアさんじゅうななさい辺りでしょうか?ハムスター西沢は“普通”故に泉よりは下でしょう。

…ああ、あとはあの橋の下に住んでるバイトの娘がいましたな。名前は憶えてないけど、彼女もなかなか立派な物をお持ちでした( ´¬`)ジュル

あとは雪路も巨乳カテゴリーに入りそうですが、ハヤテ的には欄外送りでしょうw

ある意味、自分の好感度がよく判る質問。…という第531話感想。 - RisingForce-Zwei

こちらのブログでは欄外として雪路への言及がありましたが、まったく逆に雪路を入れてくるブログもありました。

胸だけならハヤテにとって瀬川嬢は四位とのことです。トップスリーは上から順にアーたん、マリアさん、雪路ってところでしょうか。雪路がはいっているのはもちろん人格を勘定にいれないランキングだからです。

Moon of Samurai ハヤテのごとく! 第531話

こちらは、「胸だけなら」というランキングの特性から雪路を入れてきたという先ほどとは真逆の展開でした。

残念ですが

と、雪路の扱いを巡って真逆の意見が出て、おもしろくなってきたところでまさかの「本件へ言及されたブログはもうありません」というオチが待っていました。

結果のまとめ。

  • 感想を書いているブログで、順位を明確にしているもののうち、1位をアテネとしなかったブログはない。
  • 2位と3位は(サンプルも少ないし)明確な差はないが、レギュラーキャラではマリアさん、咲夜、雪路の3名の名前が挙げられている。
  • 雪路については、ランク外とする意見も目立つ。
  • なぜか西沢さんに言及した上で「『普通』というキャラクター属性故除外」という意見が2つもある。
  • 橋の下に住んでいるメイドって誰だっけ?

ここからは個人的な意見になります。
本件、「ハヤテがあの一瞬で判断した」ランキングの上位3名ですので、自分と同年代の女の子を想定して並べた可能性が高いと考えます。したがって、雪路はランキング上位にくるポテンシャルを持っているだろうとは言えるかもしれませんが、対象外となったものと思います。
よって、今回の「ハヤテが考える胸の大きさランキング」の伏せられた1位から3位については、

  1. アテネ
  2. マリアまたは咲夜
  3. 咲夜またはマリア

ということで結論づけたいと思います。

ご静聴ありがとうございました。(深々と礼)

余談:1

西沢さんですが、作中においても少し成長しているように見えるところでして、普通の域を脱しつつあるのではないかと思いますが、やはり「Cカップ好きは普通」ということで、西沢さんは本ランクから外れるということに異論ありません。

余談:2

それでもマリアさんのおっぱいは可変だと思います。

*1:性格:天真爛漫なおばか スタイル:良い

キャラクターの生き様と死に様、そしてその受容の軌跡

※冒頭の時点でアニメ以降の部分のネタバレがすでに含まれる上、「続きを読む」以降は最新刊のネタバレになります。また、話の展開上「銀河英雄伝説」のネタバレも含まれますので、ご注意ください。※

田中芳樹の中世ペルシャ風ファンタジー・アルスラーン戦記の新刊がこのほど発売になりました。2年ぶりの新刊、15巻です。

戦旗不倒  アルスラーン戦記15 (カッパノベルス)

戦旗不倒 アルスラーン戦記15 (カッパノベルス)

このアルスラーン戦記は、当初は全14巻を予定しているとされていたものの、その後全16巻予定に変更になったとアナウンスされ今に至ります。すなわち、この15巻は、最終巻の1つ前―――結末を目前に大波乱が起きるであろう巻です。そのことは、読む前からわかりきっていたことです。
作中において、この物語の主人公・アルスラーンを支える戦士たちは、後世「アルスラーンの十六翼将」と呼ばれたと言います*1アルスラーンの治世を支えた戦士は16人いることが明らかにされていますが、7巻時点で15人揃っていたのに16人になったのは13巻になってからでした*2。そして、13巻のうちに1人減り、14巻で3人減りました。
この作品を書いている作者は誰でしょうか?―――言うまでもなく、田中芳樹です。「銀河英雄伝説」で主役級の多くを葬った俗称「皆殺しの田中」であります。15巻で、十六翼将の誰かが死んでしまうことは読む前からわかっていたことであり、それが、重要な役割を背負ってきた人物であろうことも覚悟の上であたしは読み始めました。同じような心持ちであった方も多かったことでしょう。

まさか、こんなことになるとは。

あたしは未だに、15巻の結末から立ち直ることができていません。

というわけで、久々の更新は、アルスラーン戦記15「戦旗不倒」から見るキャラクターの生き様と死に様の話です。
冒頭にも書きましたが、ネタバレを多数含みますので、既読の方かネタバレ上等の方のみ続きをお読みいただきたく。あと、銀英伝のネタバレも含むよ!よろしくね!

*1:第7巻「王都奪還」第5章

*2:13巻第4章

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酒場放浪記ならサキさんじゃないだろ!

今週のハヤテのごとく!第517話「サキさんの酒場放浪記」について、Twitterにも書けそうな感想をせっかくなので更新のネタに。

今週のハヤテのごとく!、サブタイトルは知る人ぞ知るテレビ番組、「吉田類の酒場放浪記」だろうと思います。酒場放浪記は、吉田類という詩人のおじさまが、街の居酒屋に入ってお酒を飲みながらお店の人や常連さんとおしゃべりをしているという番組でありまして、普通に普通の話をしている様を楽しむのですが妙にハマる番組であります。

いえ、だから今週のハヤテ、入るのは銀座の高級寿司店じゃないだろ!とか言うつもりは1ミリもありません。だいたい「サキさんの○○」シリーズは全国版と一切関係のない内容じゃないですか。各話タイトルと内容がリンクしてないのが普通じゃないですか。

違うんですよ。



酒場放浪記ならマリアさんだろ…!


お店に行って毒にも薬にもならない(オチもない)話をして管巻いて終わる、それはマリアさんにこそふさわしいだろ…!

ということを思ったのでした。
なお、しばらくしてから、マリアさんはじゅうななさいだったことに気づきました。マリアさんじゅうななさいはさんじゅうななさいじゃなくてじゅうななさいなんでしたよね、もうこんなネタ使わないから忘れてましたよ。すっかり成人済みのつもりでしたよ。

だいたいマリアさんこないだ久々に本編に出て賭けに負けてたよね、などと本編のことを忘れてないアピールをしつつ、半年ぶりの更新としたいと思います。

あ、今週のハヤテ、なんかすごく身につまされるというか、身に覚えがあるというか。そういう点で身近でいい話だったし、ワタルくんとサキさんの関係が良好なようで何よりだなという普通の感想を持ちました。恋愛的なさらなる進展を期待したいところです。ほら、主人公がアレだから…。


ところで、さっきから下の階で物音がする気がするんですけど、気のせいですかね。一応見に行ってこようかな…?(フラグ)

寒中お見舞い申し上げます


1月4日に上記のようなことをつぶやいておきながら、今日はもう1月27日ですね。更新するする詐欺、よくない。

子どもも大きくなってきたし、もうちょっと更新する頻度が増えればいいなあと思っております。
遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願いいたします。