明日はきっと。

本やマンガのレビューなど。

キャラクターの生き様と死に様、そしてその受容の軌跡

※冒頭の時点でアニメ以降の部分のネタバレがすでに含まれる上、「続きを読む」以降は最新刊のネタバレになります。また、話の展開上「銀河英雄伝説」のネタバレも含まれますので、ご注意ください。※

田中芳樹の中世ペルシャ風ファンタジー・アルスラーン戦記の新刊がこのほど発売になりました。2年ぶりの新刊、15巻です。

戦旗不倒  アルスラーン戦記15 (カッパノベルス)

戦旗不倒 アルスラーン戦記15 (カッパノベルス)

このアルスラーン戦記は、当初は全14巻を予定しているとされていたものの、その後全16巻予定に変更になったとアナウンスされ今に至ります。すなわち、この15巻は、最終巻の1つ前―――結末を目前に大波乱が起きるであろう巻です。そのことは、読む前からわかりきっていたことです。
作中において、この物語の主人公・アルスラーンを支える戦士たちは、後世「アルスラーンの十六翼将」と呼ばれたと言います*1アルスラーンの治世を支えた戦士は16人いることが明らかにされていますが、7巻時点で15人揃っていたのに16人になったのは13巻になってからでした*2。そして、13巻のうちに1人減り、14巻で3人減りました。
この作品を書いている作者は誰でしょうか?―――言うまでもなく、田中芳樹です。「銀河英雄伝説」で主役級の多くを葬った俗称「皆殺しの田中」であります。15巻で、十六翼将の誰かが死んでしまうことは読む前からわかっていたことであり、それが、重要な役割を背負ってきた人物であろうことも覚悟の上であたしは読み始めました。同じような心持ちであった方も多かったことでしょう。

まさか、こんなことになるとは。

あたしは未だに、15巻の結末から立ち直ることができていません。

というわけで、久々の更新は、アルスラーン戦記15「戦旗不倒」から見るキャラクターの生き様と死に様の話です。
冒頭にも書きましたが、ネタバレを多数含みますので、既読の方かネタバレ上等の方のみ続きをお読みいただきたく。あと、銀英伝のネタバレも含むよ!よろしくね!

*1:第7巻「王都奪還」第5章

*2:13巻第4章

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