明日はきっと。

本やマンガのレビューなど。

2017年に読んだ本のおすすめ

というわけで、年末恒例の「今年読んだ本の中でおすすめのものを紹介する」記事でございます。
2017年は、一昨日更新した『アルスラーン戦記』や『ハヤテのごとく!』をはじめ、多くの長期連載やシリーズが終わったこともあり、寂寥感のある年末だったなあという印象を禁じ得ません。

香月美夜『本好きの下克上』

今年の『このラノベがすごい!』のソフトカバー部門で堂々1位を飾った本作。あたしも今年になって知り、値段とシリーズの冊数に少しだけ尻込みしつつ、10月頃から読み始めたら止まらずに今第3部の1巻まで来たところです。
主人公の「本さえあればいい」という思考には大変共感するところですが、異世界に転生し、本のない世界で本を作ろうとするバイタリティと、現代日本で本を読むことで得た知識をそのために惜しげもなく注ぐあたりはとても真似できない…。そういった主人公・マインの行動力と、幼女が大人と丁々発止のやりとりを繰り広げるといった描写が、何とも言えぬ本書の魅力だと思います。
その厚さと分量に圧倒されるかもしれませんが、本が好きな人にはたまらないと思いますので、ぜひ!
あたしも早く、新刊(第4部1巻)まで追いつきたいところです…(あと5冊?)

高田大介『図書館の魔女』

図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)

図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)

2013年のメフィスト賞受賞作です。昨年文庫化され、続編『烏の伝言』も今年文庫になったのでまとめて購入しました。
上橋菜穂子の『守り人シリーズ』などのファンタジー作品にも通底するものがあると思いますが、本作も「きっちり構築された独自の世界」の中で、人々を描くということが高いレベルでなされていることに感服しました。
そしてその中で、マツリカ様の「話せない」設定とそれによる「手話」という要素が、作品をさらに強力にしているように思います。さらに、キリヒトの隠された設定の明かし方やその後の様々、未来を思うエンディングなど、先々を気にさせつつ見事なまでに書き切っているところが本当にツボでした。
メフィスト賞受賞作は好みが割れがちな面がありますが、好みにあたると本当におもしろくて止まらないことを久しぶりに実感させてもらいました。

米澤穂信米澤穂信古典部

ムック本ですが、新作の短編が良作過ぎたので…。
10月に発売されてからなかなか手に入らなかったのですが、それもそのはず、12月で4版…!なるほどなかなか見かけないわけです。
内容はインタビューや対談、交流のある方からの質問と新作短編となりますが、新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」がもうすごいよかったんですよ。『ふたりの距離の概算』で登場した後輩・大日向さんが話の端緒になっているあたり、もう時系列的にどこの話なんだみたいなところはありますが、それはそれとして大日向さんの持ち込んだ1冊の文集から奉太郎が徐々に追い詰められていく様子、そしてなぜ追い詰められているのか?といった謎にドキドキしているところに、古典部の誰かが謎を解いていくというその一連が最高に楽しかったです。
そして、ちゃんと完結まで書いてくれるという活字を見てとてもうれしくなりました。楽しみにしています。マジで。

井上真偽『探偵が早すぎる』

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

「名探偵は事件が起こらなければ活躍できないもの」というのがミステリの基本だと思っていましたが、その基本を覆す『事件が起こる前にトリックを看破し、未遂の犯人を特定してしまう』という作品が本作です。
まるで本格にケンカを売っているかのような設定ですが、ミステリだものありだよね、という。そして、父親の死により莫大な遺産相続をした女子高生が、その遺産を狙う一族に殺されそうになる———という横溝的冒頭がミステリっぽいなーと思った後に、怒濤のような「事件発生前の解決」が起こるという展開に目が回りそうになります。だが、それがいい

市川哲也『名探偵の証明』

2013年の鮎川哲也賞受賞作の文庫化作品ですが、こちらも既存の本格ミステリの骨格に挑戦するかのような内容となっています。
30年前に一世を風靡した名探偵・屋敷啓次郎が、現代になって現代の名探偵・蜜柑花子と対決するという骨格の中に、「名探偵とは?」とか、「探偵として生きるとはどういうことか?」といった新本格的な疑問を呈しつつ、結末へ収斂していく様は圧巻の一言です。
単純にどんでん返しものとしてもすばらしいので、ミステリ好きに読んでほしい1冊です。

栗山ミヅキ保安官エヴァンスの嘘

ハヤテのごとく!』最終回の掲載号から始まったハードボイルド・ギャグマンガたる本作ですが、個人的な今年のNo1であります。
西部最強のガンマンである保安官エヴァンスは、実はモテたくて保安官になったんだよ…!というホットなギャグのスタートから、お互いまんざらでもない関係の女賞金稼ぎオークレイと繰り広げるすれ違いラブコメは、ついつい読み進めてそして笑ってしまうこと間違いなしです。
ハヤテ終了後の、あたしがサンデーを買う唯一のモチベーションと言っても過言ではない…!
ほんと、最近のオークレイがマジでかわいくて困ります。早くくっつけばいいのに。

おわりに

以上でした。
今年もなかなか読めず、活字欲求を小説家になろうで晴らすような感じになり、結構最近のなろうトレンドに詳しくなった1年でした。婚約破棄から始まる系のトレンド、すごく楽しいです。
冒頭でも書きましたが、今年は本当に「読んでいたものが終わる」年で、とても寂しい一方、来年は早々に「カードキャプターさくら クリアカード編」のアニメが始まるなど、今が何年かよくわからないけど楽しみ!みたいな話題も多いので、また新たな出会いを求めて本屋さんをうろうろしたいと思います。
それでは皆さん、よいお年を!

31年の時を経て迎えた万感の結末

アルスラーン戦記が、完結しました。

天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス)

天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス)

正直言って、告知が出たときには本当に完結のことが信じられなかったし、アルスラーン戦記の結末を見届けることができるとは思っていませんでした。
ともあれまずは、途中の長い長い中断や版元の変更などの多くの困難を乗り越え、アルスラーン戦記が無事に完結・刊行されたことに、田中芳樹先生への感謝を申し上げるとともに、らいとすたっふの方々や出版関係者の方々へお祝い申し上げます。

さて、あたしは、昨年発行された15巻でのとある主要キャラの死に対して、その必然性の薄さ(死亡フラグの立て方)への怒りと戸惑いをまとめたエントリを書きました
それからまた時間が経っても、15巻に対してどうしてもポジティブな気持ちを持てていませんでした。
そういったこれまでも踏まえて、完結巻である16巻の感想を書いていきたいと思います。
ネタバレですので、くれぐれもご注意ください。

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「ハヤテのごとく!の夜会」のコンテンツとサンプルページが公開されていますよー

夜会イメージ"
タカヒナくんを中心とするサークル「白皇学院現視研」で、新刊『ハヤテのごとく!の夜会』を出すことになったのは既報の通りですが、先日コンテンツとサンプルページの公開があったので改めてご紹介したいと思いポチポチ書いております。
決して、カームくん更新したのを見た嫁から圧力を受けたわけではありません

なお、あたしのようにコミケに参加できない方は、書店への委託と通販がありますので、そちらをご利用いただけるといいんじゃないかな?かな?

改めて頒布日とスペースはこちらです。

今回も畑先生へインタビューをさせていただき、大反省会では聞けないあんなことやこんなことを聞いてきましたので、ぜひぜひお手にとっていただけたら嬉しく思います。

どうぞよろしくお願いいたします!

コミックマーケット92で『ハヤテのごとく!の夜会』を頒布します☆

タカヒナくんを中心とするサークル「白皇学院現視研」で、新刊『ハヤテのごとく!の夜会』を出すことになりました8/12(土)(2日目)、東チ-09bです。

製作協力は、明日はきっと。のきよさん、ぷらずまだっしゅ!のカームさんにお願いしています。
だって、二人とも「白皇学院現視研」のメンバーですから。

白皇学院現視研 C92に参加します! - タカヒナの日常境界線

タカヒナくんがメンバーだと言ってくれているので、ありがたくも5年前の『ハヤテのごとく!のお茶会』同様に企画初期から参加させていただいています。
コンテンツについてはまだ書けませんが、今後随時ティザーサイトに情報がアップされる予定ですので、ご期待いただけたら…!

なお、例によってあたしは当日は現地におりませんが、他のメンバーががんばって頒布してくれると思うんで、ぜひお立ち寄りください。
また、あたしのように、「コミケに行けないよ!」って方には、委託販売の予定もあります。
ハヤテの完結以降、Mac前には座っているのに更新していなかったのはひとえにこの原稿を書いていたからですが、連載期間13年という年月の重さをつくづく感じました。その感じた思いを、がんばってぶつけたつもりです。

詳細が出たらまたお知らせしたいと思いますが、ぜひぜひご期待ください。よろしくお願いいたします。

昨日のエントリ、更新してます。

昨日からまとめはじめた、ハヤテ最終巻感想まとめリンク集を更新しました。
あたしとしては、タカヒナくんのヒナ恋じゃない方を落としていたのが凡ミス中の凡ミスで、マジでやっちまった感を覚えていますが、それはそれとして。

ところで、そのタカヒナくんが


と言っていましたが、昨日は言わなかったけど、あれを最初に見た時、「また無茶させやがったな…」という感想が先でした。

そんな更新報告。

「ハヤテのごとく!」51巻&52巻(または総括)感想リンク集

最終巻が出て、ちらほら総括されている方がいらっしゃったので、最終回掲載直後に引き続き、自分メモに近い感じですが、感想をざっくりとまとめたいと思います。
ほら、明日はきっと。は「ハヤテのごとく!感想まとめブログ」だから…!(まだ言う)

注意書き

  • リンク先ネタバレ注意
  • 基本的には見つけたら更新します。
  • 最終回のときほど積極的には探さないので、もし書いているブログさんがあったら教えていただけると超☆うれしいです。
  • 6/20、2件追加
  • 6/22、1件追加

ここから本編

桂ヒナギク様へ - ヒナギク様に恋してるっ!!

初めて見た時の感想は、「凝ってるうううううううううう!」でした。
さすがの一言に尽きます。

【6/20追加】13年の集大成がここにある。 ハヤテのごとく!51-52巻 - タカヒナの日常境界線

タカヒナくんの総括記事を見落としていたあたしはうっかりさん*1です。

全52巻、全568話、その数字の大きさに「遠くにきちまったなー」という思いです。
だからこそ、ハヤテのごとく!の読者としての13年間の全てはここにあります。

13年の集大成がここにある。 ハヤテのごとく!51-52巻 - タカヒナの日常境界線

ずっと感想を書き続けてきたタカヒナくんが言うからこそ、同じ読者として言葉の重みを感じる次第です。

ゲームの戯言+α ハヤテのごとく!最終巻を読み終えての感想② メインヒロイン編

れろさんは最終回のときは感想を書いていらっしゃらなかったのですが、最終巻でばっちりシリーズを組んで書き始められたので嬉しい限りです。
全体総括のほうで、ナギとルカの同人誌対決について

もとより、同人編は明らかに異質で、ルカもあくまで同人編に必要な人材として登場した感があって、物語の本筋からは外れる・・・という感想をずっと抱いていて、最終章の展開でも、それがはっきりした感じはします。

ゲームの戯言+α ハヤテのごとく!最終巻を読み終えての感想② メインヒロイン編

と書かれてましたが、思ってたなら書こうよ!ノリノリでのっかったよ(元気だったら)!(書いてたらごめんなさい。)
それはそれとして、マリアさんについてのエントリがきっとまだあると思うので、それを楽しみに待ってます!

【6/20追加】ゲームの戯言+α ハヤテのごとく!最終巻を読み終えての感想③ マリアさん編

れろさん待ってたよマリアさんのエントリ…!

最後は美味しい所をマリアさんが持っていくという、本作でよく見られた展開が、最後の最後に用意してありました。マリアさんファンとしては、これ以上ないくらいマリアさんらしい終わり方になったなぁという点で、大変満足の行くエンディングを迎えた、そんな印象です。

ゲームの戯言+α ハヤテのごとく!最終巻を読み終えての感想③ マリアさん編

マリアさんのオチキャラとしての優秀さも言うまでもありませんが、同時にいい意味で美味しいところを持って行くキャラであることも間違いありません。マリアさんファンとして満足するエンディングだったとう着眼点、さすがでした。

ハヤテのごとく! 最終巻 51巻 52巻感想 - tanabeebanatの日記

id:tanabeebanatさんの「もしかしたら最後」の感想。

できれば116話最終ページだけでいいから柱も含め週刊連載そのまんまで売ってほしいなぁと思っています。

ハヤテのごとく! 最終巻 51巻 52巻感想 - tanabeebanatの日記

ここにはもう首を縦に振りまくりです(ヘドバン)。
それはそれとして、tanabeebanatさん、最後とは言わずに、思い出語りしてもいいと思うんですよ。もっとtanabeebanatさんの感想読みたいっす。

【6/22追加】脱力系無気力。:ハヤテのごとく!最終巻を迎えて。

28さん…!28さんが帰ってきた…!!(歓喜

そんな相当のブランク?がある中、つい先日に1巻から52巻まで
一気に読みましたのでその感想というかハヤテのごとく!という
作品に対しての感想なんかを書いていけたらなと思います。

脱力系無気力。:ハヤテのごとく!最終巻を迎えて。

ブランクがある中、一気読みした感想をこれから書かれるとのことで、楽しみにしています☆

*1:某界隈では#yunoiという。