2017年に読んだ本のおすすめ
というわけで、年末恒例の「今年読んだ本の中でおすすめのものを紹介する」記事でございます。
2017年は、一昨日更新した『アルスラーン戦記』や『ハヤテのごとく!』をはじめ、多くの長期連載やシリーズが終わったこともあり、寂寥感のある年末だったなあという印象を禁じ得ません。
香月美夜『本好きの下克上』
本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第一部「兵士の娘I」
- 作者: 香月美夜
- 出版社/メーカー: TOブックス
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: Kindle版
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主人公の「本さえあればいい」という思考には大変共感するところですが、異世界に転生し、本のない世界で本を作ろうとするバイタリティと、現代日本で本を読むことで得た知識をそのために惜しげもなく注ぐあたりはとても真似できない…。そういった主人公・マインの行動力と、幼女が大人と丁々発止のやりとりを繰り広げるといった描写が、何とも言えぬ本書の魅力だと思います。
その厚さと分量に圧倒されるかもしれませんが、本が好きな人にはたまらないと思いますので、ぜひ!
あたしも早く、新刊(第4部1巻)まで追いつきたいところです…(あと5冊?)
高田大介『図書館の魔女』
- 作者: 高田大介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/04/15
- メディア: 文庫
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上橋菜穂子の『守り人シリーズ』などのファンタジー作品にも通底するものがあると思いますが、本作も「きっちり構築された独自の世界」の中で、人々を描くということが高いレベルでなされていることに感服しました。
そしてその中で、マツリカ様の「話せない」設定とそれによる「手話」という要素が、作品をさらに強力にしているように思います。さらに、キリヒトの隠された設定の明かし方やその後の様々、未来を思うエンディングなど、先々を気にさせつつ見事なまでに書き切っているところが本当にツボでした。
メフィスト賞受賞作は好みが割れがちな面がありますが、好みにあたると本当におもしろくて止まらないことを久しぶりに実感させてもらいました。
米澤穂信『米澤穂信と古典部』
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2017/10/13
- メディア: Kindle版
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10月に発売されてからなかなか手に入らなかったのですが、それもそのはず、12月で4版…!なるほどなかなか見かけないわけです。
内容はインタビューや対談、交流のある方からの質問と新作短編となりますが、新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」がもうすごいよかったんですよ。『ふたりの距離の概算』で登場した後輩・大日向さんが話の端緒になっているあたり、もう時系列的にどこの話なんだみたいなところはありますが、それはそれとして大日向さんの持ち込んだ1冊の文集から奉太郎が徐々に追い詰められていく様子、そしてなぜ追い詰められているのか?といった謎にドキドキしているところに、古典部の誰かが謎を解いていくというその一連が最高に楽しかったです。
そして、ちゃんと完結まで書いてくれるという活字を見てとてもうれしくなりました。楽しみにしています。マジで。
井上真偽『探偵が早すぎる』
- 作者: 井上真偽
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/05/18
- メディア: 文庫
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まるで本格にケンカを売っているかのような設定ですが、ミステリだものありだよね、という。そして、父親の死により莫大な遺産相続をした女子高生が、その遺産を狙う一族に殺されそうになる———という横溝的冒頭がミステリっぽいなーと思った後に、怒濤のような「事件発生前の解決」が起こるという展開に目が回りそうになります。だが、それがいい。
市川哲也『名探偵の証明』
- 作者: 市川哲也
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2017/12/11
- メディア: 文庫
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30年前に一世を風靡した名探偵・屋敷啓次郎が、現代になって現代の名探偵・蜜柑花子と対決するという骨格の中に、「名探偵とは?」とか、「探偵として生きるとはどういうことか?」といった新本格的な疑問を呈しつつ、結末へ収斂していく様は圧巻の一言です。
単純にどんでん返しものとしてもすばらしいので、ミステリ好きに読んでほしい1冊です。
栗山ミヅキ『保安官エヴァンスの嘘』
- 作者: 栗山ミヅキ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/09/29
- メディア: Kindle版
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- 作者: 栗山ミヅキ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/12/29
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西部最強のガンマンである保安官エヴァンスは、実はモテたくて保安官になったんだよ…!というホットなギャグのスタートから、お互いまんざらでもない関係の女賞金稼ぎオークレイと繰り広げるすれ違いラブコメは、ついつい読み進めてそして笑ってしまうこと間違いなしです。
ハヤテ終了後の、あたしがサンデーを買う唯一のモチベーションと言っても過言ではない…!
ほんと、最近のオークレイがマジでかわいくて困ります。早くくっつけばいいのに。
おわりに
以上でした。
今年もなかなか読めず、活字欲求を小説家になろうで晴らすような感じになり、結構最近のなろうトレンドに詳しくなった1年でした。婚約破棄から始まる系のトレンド、すごく楽しいです。
冒頭でも書きましたが、今年は本当に「読んでいたものが終わる」年で、とても寂しい一方、来年は早々に「カードキャプターさくら クリアカード編」のアニメが始まるなど、今が何年かよくわからないけど楽しみ!みたいな話題も多いので、また新たな出会いを求めて本屋さんをうろうろしたいと思います。
それでは皆さん、よいお年を!
31年の時を経て迎えた万感の結末
アルスラーン戦記が、完結しました。
- 作者: 田中芳樹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/12/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ともあれまずは、途中の長い長い中断や版元の変更などの多くの困難を乗り越え、アルスラーン戦記が無事に完結・刊行されたことに、田中芳樹先生への感謝を申し上げるとともに、らいとすたっふの方々や出版関係者の方々へお祝い申し上げます。
さて、あたしは、昨年発行された15巻でのとある主要キャラの死に対して、その必然性の薄さ(死亡フラグの立て方)への怒りと戸惑いをまとめたエントリを書きました。
それからまた時間が経っても、15巻に対してどうしてもポジティブな気持ちを持てていませんでした。
そういったこれまでも踏まえて、完結巻である16巻の感想を書いていきたいと思います。
ネタバレですので、くれぐれもご注意ください。
「ハヤテのごとく!の夜会」のコンテンツとサンプルページが公開されていますよー
タカヒナくんを中心とするサークル「白皇学院現視研」で、新刊『ハヤテのごとく!の夜会』を出すことになったのは既報の通りですが、先日コンテンツとサンプルページの公開があったので改めてご紹介したいと思いポチポチ書いております。
決して、カームくんが更新したのを見た嫁から圧力を受けたわけではありません。
なお、あたしのようにコミケに参加できない方は、書店への委託と通販がありますので、そちらをご利用いただけるといいんじゃないかな?かな?
改めて頒布日とスペースはこちらです。
- コミックマーケット92 2日目
- 8月12日(土)
- 東チ-09b
今回も畑先生へインタビューをさせていただき、大反省会では聞けないあんなことやこんなことを聞いてきましたので、ぜひぜひお手にとっていただけたら嬉しく思います。
どうぞよろしくお願いいたします!
コミックマーケット92で『ハヤテのごとく!の夜会』を頒布します☆
タカヒナくんを中心とするサークル「白皇学院現視研」で、新刊『ハヤテのごとく!の夜会』を出すことになりました。8/12(土)(2日目)、東チ-09bです。
製作協力は、明日はきっと。のきよさん、ぷらずまだっしゅ!のカームさんにお願いしています。
白皇学院現視研 C92に参加します! - タカヒナの日常境界線
だって、二人とも「白皇学院現視研」のメンバーですから。
タカヒナくんがメンバーだと言ってくれているので、ありがたくも5年前の『ハヤテのごとく!のお茶会』同様に企画初期から参加させていただいています。
コンテンツについてはまだ書けませんが、今後随時ティザーサイトに情報がアップされる予定ですので、ご期待いただけたら…!
なお、例によってあたしは当日は現地におりませんが、他のメンバーががんばって頒布してくれると思うんで、ぜひお立ち寄りください。
また、あたしのように、「コミケに行けないよ!」って方には、委託販売の予定もあります。
ハヤテの完結以降、Mac前には座っているのに更新していなかったのはひとえにこの原稿を書いていたからですが、連載期間13年という年月の重さをつくづく感じました。その感じた思いを、がんばってぶつけたつもりです。
詳細が出たらまたお知らせしたいと思いますが、ぜひぜひご期待ください。よろしくお願いいたします。
昨日のエントリ、更新してます。
昨日からまとめはじめた、ハヤテ最終巻感想まとめリンク集を更新しました。
あたしとしては、タカヒナくんのヒナ恋じゃない方を落としていたのが凡ミス中の凡ミスで、マジでやっちまった感を覚えていますが、それはそれとして。
ところで、そのタカヒナくんが
これの演出はうちの技術担当が頑張りました。桂ヒナギク様へ - ヒナギク様に恋してるっ!! https://t.co/mNrFnX3L7P
— なごなご@がんばれない。 (@takahina17) 2017年6月20日
と言っていましたが、昨日は言わなかったけど、あれを最初に見た時、「また無茶させやがったな…」という感想が先でした。
そんな更新報告。
「ハヤテのごとく!」51巻&52巻(または総括)感想リンク集
最終巻が出て、ちらほら総括されている方がいらっしゃったので、最終回掲載直後に引き続き、自分メモに近い感じですが、感想をざっくりとまとめたいと思います。
ほら、明日はきっと。は「ハヤテのごとく!感想まとめブログ」だから…!(まだ言う)
注意書き
- リンク先ネタバレ注意
- 基本的には見つけたら更新します。
- 最終回のときほど積極的には探さないので、もし書いているブログさんがあったら教えていただけると超☆うれしいです。
- 6/20、2件追加
- 6/22、1件追加
ここから本編
桂ヒナギク様へ - ヒナギク様に恋してるっ!!
初めて見た時の感想は、「凝ってるうううううううううう!」でした。
さすがの一言に尽きます。
【6/20追加】13年の集大成がここにある。 ハヤテのごとく!51-52巻 - タカヒナの日常境界線
タカヒナくんの総括記事を見落としていたあたしはうっかりさん*1です。
全52巻、全568話、その数字の大きさに「遠くにきちまったなー」という思いです。
13年の集大成がここにある。 ハヤテのごとく!51-52巻 - タカヒナの日常境界線
だからこそ、ハヤテのごとく!の読者としての13年間の全てはここにあります。
ずっと感想を書き続けてきたタカヒナくんが言うからこそ、同じ読者として言葉の重みを感じる次第です。
ゲームの戯言+α ハヤテのごとく!最終巻を読み終えての感想② メインヒロイン編
れろさんは最終回のときは感想を書いていらっしゃらなかったのですが、最終巻でばっちりシリーズを組んで書き始められたので嬉しい限りです。
全体総括のほうで、ナギとルカの同人誌対決について
もとより、同人編は明らかに異質で、ルカもあくまで同人編に必要な人材として登場した感があって、物語の本筋からは外れる・・・という感想をずっと抱いていて、最終章の展開でも、それがはっきりした感じはします。
ゲームの戯言+α ハヤテのごとく!最終巻を読み終えての感想② メインヒロイン編
と書かれてましたが、思ってたなら書こうよ!ノリノリでのっかったよ(元気だったら)!(書いてたらごめんなさい。)
それはそれとして、マリアさんについてのエントリがきっとまだあると思うので、それを楽しみに待ってます!
【6/20追加】ゲームの戯言+α ハヤテのごとく!最終巻を読み終えての感想③ マリアさん編
れろさん待ってたよマリアさんのエントリ…!
最後は美味しい所をマリアさんが持っていくという、本作でよく見られた展開が、最後の最後に用意してありました。マリアさんファンとしては、これ以上ないくらいマリアさんらしい終わり方になったなぁという点で、大変満足の行くエンディングを迎えた、そんな印象です。
ゲームの戯言+α ハヤテのごとく!最終巻を読み終えての感想③ マリアさん編
マリアさんのオチキャラとしての優秀さも言うまでもありませんが、同時にいい意味で美味しいところを持って行くキャラであることも間違いありません。マリアさんファンとして満足するエンディングだったとう着眼点、さすがでした。
ハヤテのごとく! 最終巻 51巻 52巻感想 - tanabeebanatの日記
id:tanabeebanatさんの「もしかしたら最後」の感想。
できれば116話最終ページだけでいいから柱も含め週刊連載そのまんまで売ってほしいなぁと思っています。
ハヤテのごとく! 最終巻 51巻 52巻感想 - tanabeebanatの日記
ここにはもう首を縦に振りまくりです(ヘドバン)。
それはそれとして、tanabeebanatさん、最後とは言わずに、思い出語りしてもいいと思うんですよ。もっとtanabeebanatさんの感想読みたいっす。
【6/22追加】脱力系無気力。:ハヤテのごとく!最終巻を迎えて。
28さん…!28さんが帰ってきた…!!(歓喜)
そんな相当のブランク?がある中、つい先日に1巻から52巻まで
脱力系無気力。:ハヤテのごとく!最終巻を迎えて。
一気に読みましたのでその感想というかハヤテのごとく!という
作品に対しての感想なんかを書いていけたらなと思います。
ブランクがある中、一気読みした感想をこれから書かれるとのことで、楽しみにしています☆
*1:某界隈では#yunoiという。