世界の中心で、愛をさけぶ
- 作者: 片山恭一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 329回
- この商品を含むブログ (393件) を見る
たまたま家に単行本が置いてあったのでいまさら読んだのです。
えっと、この本で泣いた人とか、大好きな人は、以下は読まないほうがいいです。久しぶりに毒が。あとネタばれも。
僕はどこにも感動できる要素を見つけることができませんでした。
朔太郎とアキの心情が近づいていくところとか全然書かれてないじゃん。ただ、中学高校と一緒にいてとっても好きだった人が白血病になって、死んでいく。しかも、死を早めるのは(きっとここが泣き所なんだろうけど)アキが熱望して朔太郎がオーストラリアまで連れて行くために連れ出したからで、飛び立つ前の空港で倒れる。そして死ぬ。
いったい何が言いたいの?何が「世界の中心で」「愛をさけぶ」なの?純愛、純愛って騒がれてるけど、エッチしないから純愛なの?「男」の側からのみ表現されていく恋愛物って意味なら、桂正和の「I"s」のほうがよほど上手だし、純愛っていうか恋愛してると思うもの。
結局、アキの死を通して朔太郎は、その後の何年間かを経て中学校の校庭にアキの遺灰をまくシーンで終わっていますが、その間の朔太郎の心の動きこそ、本来描き出すものなんじゃないだろうか、と思いました。
本当につまらなかったです。久しぶりに「時間を無駄にした」と感じた読書でした。
村山由佳の「おいしいコーヒーの入れ方」のほうがよっぽどいいわ。あとで立ち読みしようっと。