ハヤテのごとく!に見る「ストライクゾーン」そして「ミッション」
ストライクゾーンってありますよね。野球の。で、それって野球以外でも使われるじゃないですか。異性の好みとか異性の好みとか異性の好みとかマンガの好き嫌いとか。そして野球のストライクゾーンがバッターの身長によって違うように、たとえば金髪ポニーテールがど真ん中だったりひんぬーがど真ん中だったり絶対領域がど真ん中だったり、●亮●がど真ん中だったりa●k●がど真ん中だったり、異性の好みにもいろいろあるのです。同じように、王道の少年マンガが好きだったり萌えマンガが大好きだったり少女マンガが好きだったりと、マンガの好みにだっていろいろあるのです。
何でこういう話をしているかと言いますと。久しぶりにハヤテの話ですが、ハヤテ13巻のAmazonのレビューが割れていておもしろかった*1ので、なんとなく書いてみようかなと。そこで思いついたのか「ストライクゾーン」という言葉だったのでした。
ハヤテのごとく!は読む人を選ぶマンガである。
今さら言うことではないような気がしますが、「ハヤテのごとく!」というマンガは読む人を選んでしまうマンガです。Amazonのレビューで「萌えとパロディの連続に飽きた」という文もありましたが、その萌えとパロディはそれだけで人を選んでしまう側面があります*2。その上畑先生はじらしたりスルーしたりすることがとても多く、話の構造も単純に見えて複雑*3、ギャグマンガなのかラブコメマンガなのかわからない*4など、人を選びそうな要素が満載です。
つまり、畑先生が投手、僕たち読者が打者だとすると、畑先生は簡単にはど真ん中に投げてこないタイプです。まあ野球で簡単にど真ん中に投げてきたら打たれまくりでしょうが、ど真ん中=いろんな人に受け入れられやすいマンガだと考えると、当然パイの多いど真ん中に投げた方がその分受けやすいので、売れる。それなのに、畑先生はストライクゾーンギリギリのところに投げてきて、ツボにはまった人だけがハマる。
それでもハヤテのごとく!はアニメ化され、原作単行本は600万部を超えた。
そんなツボにはまって初めてハマりそうなマンガ、ストライクゾーンの狭い人にはあっさり見送りそうなマンガは売れ、そして1年前であればハヤテ界隈におけるエイプリルフールネタの代名詞だったアニメ化まで果たしました。しかもアニメは日曜日10時。その上4クールです。ストライクゾーンが狭いマンガとは思えない展開の仕方です。
一体ハヤテのごとく!の何が受けたのでしょうか?
一方でハヤテのごとく!には、アンチも多く存在しています。
一体ハヤテのごとく!の何がアンチを作り出したのでしょうか?
アニメからマンガ、果てはエロゲに至るまでの幅広いパロディと萌え
最初の方で述べたように、ハヤテのごとく!には萌えとパロディが詰め込まれています。
「おまえには決定的にガ●ダムが足りていない!」
というナギのセリフに象徴されるパロディ。しかも分野はガンダムをはじめとするアニメだけではなく、魔法先生ネギま!の名簿を直球でネタにしてみたり、果てはジャンプで衝撃の連載をした「斬」の1話をネタにしたりとマンガでも。その上全年齢対象のFFやドラクエのみならず、18歳未満お断りなエロゲまでネタにします*5。その幅の広さを受け入れられる人は歓迎したし、受け入れられなかった人は離れていくかアンチ化したとみることができます。パロディは諸刃の剣。萌えもまた受け入れられなければ…というやはり諸刃の剣。そんな2本の剣を持った作品ですので、受け入れられる人と受け入れられない人で大きく別れるのもある種当然と言えます。
ちなみに絵が下手というのもストライクゾーンを狭めているみたいです。
僕は下手だとは思わないんですが、Amazonのレビューなどで絵が下手だという指摘を見ます。あるいは1巻から成長していないという方も。マンガにおいて絵は重要な要素ですが、畑先生めっさ画力あるわけじゃないだろうけどでも下手じゃないよなあ…と僕は思うんですけれど。ああ、これがストライクゾーンの違いってことになるのでしょう。
畑先生の絵はエロくないという意見もたまに耳にしますしそれは当たっていると思いますが、畑先生の描く「おしりから太ももにかけてのライン」はすばらしいエロスだと思うのです。最近あんまり見れなくて寂しい思いをしているくらいです。
ここまでの結論
- ハヤテはストライクゾーンすれすれに投げられる作品です。
- でもハマっている人が多いんだ。
- ただしアンチもいるよ。
- 畑先生は前くらい「おしりから太ももにかけてのライン」を描いてもいいと思うんだ ←個人的
長文のついでなのでもう少し考えてみたいことがあります。
それは「ミッションの不在」。
ハヤテのごとく!は明確なミッションがない
ここまでの話とは少し変わりますが、ハヤテのごとく!の抱える問題点の一つに「明確なミッション(=目的)の不明確さ」があるのではないかと思います。ぐるぐるマンガではなく、ゆっくりとではあるけれど時間が流れる物語で、かつおそらく描かれるは「成長」と考えられる中、特に主人公における目的の不明確さは時に気になってくる要素です。
連載開始段階において、ハヤテの目的*6は「親に押しつけられた借金約1億5000万円を返済することであったはずです。しかし、実際にお金にまつわる描写はほとんど出てこず*7、「一流の執事になる!」と宣言したけれどもあまりそれを意識しているような光景が見れるわけではありません。
ハヤテに限らず、他のキャラもミッションを持っていないケースが多い
例えば
ストーリー全体として、まったり感漂うギャグマンガ。その中で成長を描ききることができるのか?
「よつばと!」などに代表される「終わらない日常」系の作品でもミッションは不在です。また、明確なミッションがあったとしても、ストーリーの展開からいつの間にか別のミッションにすり替わり、当初のミッションは置いてけぼりということもあります*8。それが悪いことではないと思いますが、今の「ハヤテのごとく!」はどっち付かず的な部分があるのではないでしょうか?そしてそれが、その時々の善し悪しにつながっているのではないでしょうか?
畑先生は新学期に際して、「ある意味ここからが本編」とおっしゃいました。
ハヤテの持つ驚異的なポテンシャル*9。それが、これから先明確なミッションを持った時、ハヤテのごとく!という物語はどうなっていくのか、それが楽しみです。
まとめ
- ハヤテの今後を楽しみにしています。
なんか散らかった感じの文章だけど、とりあえず結論までいったのでアップ。