明日はきっと。

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「誤解」というトリガー

気になったので簡易的に、ですが。
今週のハヤテのごとく!219話では、忘れているに違いないと思っていた4巻の頃の設定を蒸し返したり、ヌーディストビーチで西沢さんがハヤテの前から逃げ出したりというエピソードを挟みながら、ヒナギクの話になっていきました。
読んでておもしろいな、と思ったのですが、それ以上に久しぶりに「話が進んだ」感じを受けたのでなんとなく考えていた次第。思考のまとめ。

ハヤテのごとく!のストーリーは誤解の積み重ね

ハヤテがナギの執事になったのは、思いこみと誤解とすれ違いの3重奏の結果でした。その後も、(特に初期は)ハヤテが誤解を招く言動をしてはフラグを立てたり物語が進んだり…ということが続きました。ハヤテのごとく!という物語の基盤には、誤解が大きく関わっているのです。
その後、サブキャラへのフラグ立てもあらかた済んだ、ということもあってか、誤解が鍵になる展開は影を潜めたように感じます。もちろん、何かの言葉を誤解したまま柿を探しに行ったり泉の父親がハヤテと泉の関係を勘違いしたまま虎鉄と戦わせたり…といったことはありましたが、「物語を進める」というように感じさせるようなものではなかったように思います。

実は物語は進んでいない。だけど…

今回、ハヤテはヒナギクが「か弱い女の子だと思われてない」からツンケン気味だったのに関して「告白したいことがあったのかも」という誤解をし、それを疑問としてヒナギクにぶつけるという展開を迎えました。あえて「告白」という言葉を選んだあたりに、誤解を招きやすいものにしようという畑先生の意図を感じますがそれはさておき。
言うまでもなく、ヒナギクはサブヒロインです。メインのヒロインではなく、本筋とはおそらく違うところにいるキャラクターです。そんな彼女と主人公の恋物語―――ただし矢印はヒナギク→ハヤテの片側だけ―――ですから、ハヤテのごとく!という物語の本筋においてはさして重大なことではない*1、実は物語は進んでいない。
ですが、物語が進んだように感じた。そう感じたのは、ハヤテをとりまく人間関係のアップデートが停滞していた*2ようだったところに、それが動きそうな気配がこの誤解にあったからなのではないか―――と思ったのです。
実際のところ、ヒナギクのキャラからしても最近のまったり感から言っても、ここでヒナギクがハヤテに告白するなんて万に一つしかなさそうです。ただ、ハヤテがヒナギクのところにやってくる直前に「いっそ告白しちゃおっかな〜」とヒナギクに言わせているためか、その万に一つがありそうな気がしてくるから不思議です。

これがもしや―――畑マジック?(ちがいます

畑先生は「誤解」を使うのがことのほかうまいと思う

ハヤテのごとく!が誤解の積み重ねの上にある、という点からしてもそうだと思いますが、畑先生は「誤解」を使った展開がうまいのではないかと思います。「誤解」をトリガーに仕立てるのがうまいというか。ただ、それ以外のトリガーがあまりないように感じていて、そのあたりがちょっと気になるなあという印象。


まとまってないですがとりあえず現在の思考のまとめということでひとつ。来週にちょっとだけ期待してます。(そして期待は裏切られる)

*1:もちろん、それによってハヤテが成長していくという影響はあるでしょうが。

*2:正確に言えば、ハヤテへのフラグが立つ以外はヒロイン同士の関係に関してばかりだった