明日はきっと。

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アニメ化によるハヤテのごとく!アクセント問題

ショートアニメPVが次世代ワールドホビーフェアで公開された頃、あるいはショートアニメDVDが届いた頃。そして今日、アニメが放映された時。声優さんたちが発音する作品名「ハヤテのごとく!」というアクセントに違和感を持つ人がいました。

とりあえず「ハヤテ」の発音が中の人と違うことに気づいた・・・

上下左右 | ハヤテのごとく!(アニメ) 1話

このような方々が。
若本規夫さんをはじめ、作品名を口に出した声優さんたちは皆「ハヤテのごとく!」を「ハヤテのごとく」と平板に読みます。一方、違和感を持つ方々は「ハヤテのごとく!」を「ヤテのごとく」と一番最初の「ハ」にアクセントを置いて発音されているようです。
この違いは一体、どこから来たのでしょうか。簡単に考察してみたいと思います。思いつきですから、尻切れトンボに終わるかもしれません。そのときは「な〜んだ、たいしたこと書いてないで次の感想まとめの準備かアニメの感想まとめでも書けよ」とか呟いていってください。一応先に言っておきますが、アニメの感想まとめをやる気力も体力もありませんのでそういうのが読みたい人は別の人にお願いするといいと思います。
僕たち読者も、声優さんたちも共通しているのは、主人公の綾崎ハヤテは「あやさきヤテ」と読むことです。では、どうして作品名と主人公の名前とでアクセントを置く場所が違うのでしょうか?
ハヤテを主人公とした物語だから、「ヤテのごとく!」と読んでいた───。それが一番最初にアクセントを置いて読む方々のご意見でした。一方の声優さんたちについては、もちろん公式コメントなどはありません。推測しかできませんが、僕も声優さんたちと同じように「あやさきヤテ」と「ハヤテのごとく」と使い分けていましたので、理由を述べたいと思います。
なぜか。その方が「おさまりがいい」からです。あるいは「言いやすい」から。周りに人がいませんか?人がいないようでしたら、ちょっと声に出して見ましょう。まずは、最初にアクセントがある方から。
さん、はい。Ω<「ヤテのごとく」
では、続いて平板に読んでみましょう。
さん、はい。Ω<「ハヤテのごとく
なんだか、後の方が読みやすくはないでしょうか?
日本音調教育研究会東京発音アクセント教室日本語のアクセントというページによると、いわゆる標準語=東京式のアクセントにおいては、

地名、人名は原則として平板型か、最後から数えて三拍目に核のある形に限られる。

日本語のアクセント

そうです。ハヤテの名前はこの最後から数えて三拍目に核がある形である、と言えるでしょう。一方の作品名ですが、
「ハヤテ」「の」「ごとく」という3つの成分による複合名詞ととらえるのがいいのではないかと考えます。すると、

複合名詞のアクセントはその最終成分によって決まる。一例を挙げれば、最終成分が二字漢語あるいは三拍名詞である場合はその最終成分の先頭の拍が核となる

日本語のアクセント

最終成分は「ごとく」という三拍名詞です。するとアクセントは最終成分であるところの「ごとく」となるので、「ハヤテのとく」となります。あれ?もう一度リンク先に当たってみましょう。注釈がついていて、注釈をみると

株式会社 カラーテレビ

となってます。つまり、「カラーテレビ」が、「最終成分が二字漢語あるいは三拍名詞である場合」であると言えますので、「カラーテレビ」と同じような発音をすればいい、と考えられるわけです。言ってみると……ほら、平板型の発音です!
ということで、発声を生業とする声優さんたちは無意識にこの発音の使い分けをしていたものと考えることができます。ですから、アニメにおいて作品名が発音されるときは、今後も平板に「ハヤテのごとく」と発音されるでしょう。
でも、別に「ヤテのごとく」という発音が間違っている、ということではないと思います。主人公の名前が由来の名詞ですから、その発音をそのまま適用する───なるほど頷ける理由です。また、今回考察に使用しているのは東京式アクセントですから、主として関西方面の方々の使用する京阪式アクセントを考慮していませんので、京阪式アクセントで読めば自然に一番最初にアクセントがくるかもしれません。
つまり何が言いたいかと言うと、「一応東京式=標準って考えれば平板に読むのがよさそうだけど、最初にアクセントを置いたってちゃんと通じるからいいじゃない」というここまでの考察が無になるようなことでした。うわー台無し。
あ、あと、明日はきっと。では作品名は平板に読みます!ということを主張します。
微妙に論理に破綻が見られるような臭いがします。具体的には、複合名詞に関するあたり。助詞の「の」がまったく考慮されていないという…。