明日はきっと。

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ハヤテのごとく!存在そのものが伏線のキャラクタたち

129話の畑先生バックステージで、

では行方不明とされている兄はどうなってしまったのか……。
それはいずれ本編で。
季節が進めば兄弟が再び巡りあう事もあるでしょう。
結構、衝撃的な形で。ハヤテ的には。

というコメントもあって、最近ハヤテのごとく!界隈でハヤテの兄に関する考察がさかんにアップされています。このキャラクタは1巻のプロフィールでこっそり明かされ、そのままずっと伏せられてきた存在であります。
でも。ハヤテの感想を書いている方ならわかっていることとは思いますが、このハヤテの兄以外にも、謎の多いキャラクタがいるのです。通常なら明かされないであろうことまで明かしている畑先生ですが、この謎の多いキャラクタたちはいろいろなことが伏せられているのです。ということで、今回はそういったキャラクタたちを挙げていって、考察していきたいと思います。

三千院帝

トップバッターはナギの祖父・三千院帝です。帝は、第11話(2巻4話)*1で、庭師と見せかけて実は…という登場をしました。孫の着替えを除く祖父とは、なんだか最近のネウロを思い出させます。その後、第12話(2巻5話)*2冒頭でナギ以外の者への遺産相続の条件をナギに伝え、さらにハヤテに飛行石っぽいものを渡しました。
そこからず――――っっと出番がなく、深読みが大好きな人を除いては忘れようとしていた頃、第123話*3で、ナギの思わせぶりなセリフの影で紫子(ナギの母=帝の娘)のポートレートを見つめるコマに登場しました。実に110話ぶりの登場でした。
さて、そんな帝のプロフィールが掲載されたのは3巻でしたが、不明の嵐。唯一ヒントになりそうなのは

直接的な血縁はナギだけ
3巻p188

という血縁に関する事項だけでした。*4間接的な血縁という言葉はいまいちピンと来ませんが、まあ直接的な血縁を法律用語で言うところの直系の親族と置き換えれば

  • ナギ以外に孫はいない。
  • ナギの両親のどちらか*5以外の子どもはいなかったかすでに他界している
  • 妻もすでに他界
  • 当然親も他界

といった要素は明らかにできます。まあ、愛沢家が三千院家の親戚である*6ので、間接的な血縁=親戚と置き換えるのが良さそう*7です。
さて、前述のように物語の序盤で登場した後本当に長い間(実に1年半)出番のなかった帝でしたが、第123話で、ナギが「お金をどれだけ積んだってもう母は戻ってこないとわかっている。それをわかっていないやつがどこかにいるかもしれないけど」というセリフのところで登場したのでした。ここを素直に読み取れば、「帝は紫子が戻ってくるかもしれないと思っている。あるいは戻ってくるようになにか画策している。」といった伏線が見えてきます。
また、帝に関しては、第1話(1巻1話)*8や第3話(1巻3話)*9で子ども時代のハヤテの前に現れたのが帝であるといった考察*10もあります。
今後も当分出番はなさそうですが、ハヤテのごとく!という物語を転がす大きな鍵であることは間違
いないでしょう。ハヤテのごとく!に存在する「存在そのものが伏線」である人物です。

虎鉄

今やハヤテファンには変態の一言で片付けられてしまう*11瀬川家執事・虎鉄ですが、初登場時*12からあえて名字を伏せられている*13キャラクタです。畑先生があえてそういうことをしているキャラクタはマリアさん姫神くらいしかいません。畑先生も

とりあえず細かいプロフィールは伏せておきます。特に苗字は。
そのうち使う予定になっているので。

畑先生バックステージVol.97

とおっしゃっているので、いつか使われるときがくるのでしょう。名字が伏せられたキャラクタは、この作品では伏線なのです。

姫神

前後しますが続いて姫神に移りましょう。今回ハヤテの兄の候補として最も名前があがった姫神ですが、このキャラクタはハヤテの前任の執事であること*14三千院奥義の使い手であること*15、よくお屋敷の家具や壁を壊していたこと*16―――くらいの情報しか明かされていません。姫神というのが名字なのか名前なのか、性別、年齢さえわかっていません。今好評(?)放送中*17のアニメ版オープニングでシルエットが明かされ話題を呼びました。
帝・虎鉄以上の謎っぷりですので、まあいろんな考察に出てくる、考察する人にはありがた〜いキャラであります。虎鉄の初登場時に、「虎鉄の名字は姫神に違いない!」と思った方もいたに違いありません。最も、ナギがたいしたリアクションをしないので、その可能性は即潰れていますが…。ということで、まあ、姫神は本当にベールにくるまれた謎の存在であり、本編では第129話にしてようやく明かされたハヤテの兄のに手っ取り早く当てはめるにはうってつけの存在でもあります。
が、第129話のまとめhttp://kurubata.blog58.fc2.com/blog-entry-398.htmlで示されているように、姫神をハヤテの兄とするにはかなり無理があるような状態です。

ハヤテの両親

ひどい親の代名詞ともいえるハヤテの両親ですが、彼らもある種謎に包まれています。何しろ、登場するときは顔に「父」「母」と書かれているだけなのです。*18しかも、「僕は天才なんだ。」という発言や高額な絵(贋作)を売りさばく手際、4歳の子どもに絵の真贋を見抜く目を鍛えるなど、意外に高いスペックを有しているようです。
よって、綾崎家は三千院家の親戚説や、ナギの両親がすでに他界していることを利用してハヤテとナギ兄弟説といった説が唱えられたりしました。
ハヤテのごとく!という物語の中で、果たしてこのハヤテの親が今後物語にどう絡むかは未知数です。

マリアさん

マリアさんもまた、謎が多い存在です。誕生日は12月24日頃?となっていますし、両親さえ誰だかわかりません。また、名字も秘密にされています。それは、101話*19で作中でマリアさん自身が言っているほどです。
マリアさんの名字に関しては、http://tanabeebanat.web.fc2.com/id:tanabeebanatさんが「マリアさんの秘密」への見解という考察を書いていらっしゃいます。これには全面同意ですが、畑先生が隠しているということは、マリアさんの名字が開示されるときは一大イベントであるということを示唆していると考えられます。
また、なぜマリアさん飛び級をしていたのか、そもそもハヤテはマリアさんが白皇学院の飛び級タイトルホルダーで生徒会長を1年からやっていて…といった事実を知らないということも、実は隠れた伏線であったりするのです。
ハヤテとナギは知っていて、マリアさんは知らない事実、マリアさんとナギは知っていて、ハヤテは知らない事実、ハヤテとマリアさんは知っていてナギは知らない事実、メインヒロインは知っていてサブヒロインは知らない事実など、僕たち読者が知っていても特定の登場人物は知らない事柄が多数埋め込まれているのが、ハヤテのごとく!という物語であるのです*20

ハヤテの兄

まあここまで長々と書いてきましたが、今日のメインはハヤテの兄であります。
今のところ、ハヤテの兄については「いる」ということ、そして、一番最初に引用したバックステージのVol.133くらいのことしかわかっていません。ということで、各所で上がっている考察を元に、ここまで述べてきた他の存在そのものが伏線キャラのことをふまえて考えると、

  • すでに登場している
  • ハヤテより年上
  • 男のキャラ
  • 帝でない
  • クラウスでもないだろう
  • 姫神でも無理がある

といったところが基本的な条件になってくるのではないかと思います。これに該当するのは

  • ヒムロ
  • 野々原
  • 虎鉄
  • 東宮
  • タマの中の人
  • ギルバート
  • マリアさんじゅうななさいは実は性転換(ry

―――まあ、後半ネタに走っていますが、ヒムロがお金が好きな理由とか、ひょっとして…と想像を膨らませる余地があるのがこのマンガの恐ろしいところだと思います。

*1:「Quest of the Avatar

*2:「How much is your life?」

*3:「「いつか…信じて」」

*4:これがid:tanabeebanatさんのマリアさんがらみの考察へつながりますが、それは別項にて。

*5:第123話で母・紫子であることがわかっています。

*6:第11話(2巻4話)冒頭参照

*7:第12話(2巻5話)で、親戚の中にはナギの相続を快く思わない者が多いと帝が言っているので、まず間違いない。常識的に考えても。

*8:「サンタの赤は血の色地獄」

*9:「状況説明とメイド服の構造に関する考察」

*10:「『ハヤテのごとく!』の秘密」レビュー:コメントしにくいことこの上ない本 - 明日はきっと。の宮崎さんのコメントを参照。また、アニメで毎週のように出てきたからか、アニメが始まってから時折こういった声を目にするようになりました。

*11:第117話「キワキワのラストボーイ」あたりがいいかな?

*12:第93話(9巻8話)「恋のマジカルハヤテ、ルンルン」参照。

*13:畑先生BSVol.97参照。

*14:第2話(1巻2話)「運命は、英語で言うとデスティニー」参照

*15:第47話(5巻6話)「本は好きですが紙使いになれません」参照

*16:やはり第47話参照。マリアさんはいつも後始末をしていたというトラウマを持っています。

*17:視聴率は苦戦しているみたいですからね〜

*18:第1話、第2話、第129話参照。このほかにありましたっけ?

*19:「あなたには功夫が足りないわ」

*20:このあたりは、id:tanabeebanatさんがよく言及していることではあります。